オアシス
オアシスは砂漠の中にある町だ。
 そこには、川が流れていて、緑があり、バザールがある。
 そこに暮らす人々はのんびりと、穏やかに生活しているように見 える。
 ここでは時間がゆっくりと流れているのだろう。
 たぶん、100年前も同じだったのではないだろうか。

 私たちの旅の途中には、いくつかのオアシスがあった。
 まず、出発点のチャリクリク(若羌)、そして、チェルチェン(且末)、 ニヤ(民豊)、ケリヤ(干田)、ホータン(和田)、イエチェン(叶城)、ヤン ギサール(英吉沙)、終点のカシュガル(喀什)である。
 町の中心に小さな商店が数件あるだけの小さなオアシスもあれ ば、大通りに車が行き交い、ホテルやデパートまである大きなオア シスもあった。
小さなオアシスの町の中心
 大きな町でのバザールはとにかく賑やかだ。香辛料や食料品、 日用品、衣料品などの店が軒を連ね、人もあふれている。
 おみやげなどもここで買うといいのだが、外国人観光客の来るよ うな町では、必ず値切って買わなければいけない。そのままでも日 本円に換算するとずいぶん安いのだが、こういうときには円に換算 するのはやめて、現地の感覚で買い物するようにしよう。

 私たちは未開放地区のオアシスにも行ったのだが、そこのバザ ールでは失敗したこともあった。 
 買い物のとき、いつもの癖で値切ってしまったのだ。
 そこでは外国の観光客は来ないので地元の人に売るのと同じ値 で売っていたのに、私がしつこく値切ったものだから、店の人に困 った顔をされてしまった。どうも、ごめんなさい。
ホータンのバザールの中にある人力回転ブランコ
 オアシスと言うと、砂漠の中にぽつんと小さな泉があり、その周りに椰子の木が生えている。というようなイメージ が浮かぶかもしれない。残念ながらそんなオアシスはなかったが、それに近いものは一回だけ見ることができた。
 その日は珍しく雨が降り、その雨が上がった後のことだった。見事な青空が広がり、これもまた見事な砂丘の中を 進んでいるとき、それは突然現れた。
 南の海に浮かぶ島のように、砂丘の上にぽっかりと浮かんだ緑の島。とても小さいため町もなく、まさに無人島の ような、それはとても美しいオアシスだった。
 もちろんその日の野営地はそこに決まった。 
島のようなオアシス(イメージ画像)
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