ぞろぞろ・・・
 少し気持ち悪いものを見ていただこう。  ダニである。
ついにこの話になったか。と思ってる人もいるかもしれない。
 そうなのだ。自然の真っ只中と言うのは、ロマンチックなこ とばかりではないのだ。
 日本ではダニと言えばイエダニのように顕微鏡でないと見 えないようなものが連想されるが、タクラマカンのダニはでか い。体長7ミリはある。しかも、血を吸うと親指ほどにまで大 きく膨れ上がるのだ。
 さらに厄介なことに、こいつらは強い。思い切り踏んでも、 抱えるような大きな石を投げつけても死なない。まあ、地面 が砂というのもあるだろうが、それにしても怖いくらいの生命 力だ。
 
 あるとき、いつものようにラクダで移動中、休憩をとった。
 みんなラクダから降り、ラクダもしゃがんで休んでいたが、どうやらそこがダニの生息地だだったらしい。
 ごく普通の砂地だと思っていたのだが、どこからともなく無数のダニが湧いて来て、気が付くと周りにうようよいる。
 どうやって人間や動物がいるのを察知するのかわからないが、一斉にこちらをめがけてざわざわとやって来るの である。逃げてもすぐに方向転換をして正確にやって来る。そーっと歩いても、じっとしててもちゃんと分かるらしい。
先ほど言ったように踏んづけても死なないので、ひたすら逃げるしかなかった。
 ラクダも襲われたらしく、いきなり立ち上がって足踏みをしだした。こんなとこは早く退散するしかない。

 写真は隊員の手の指の付け根のところにダニが噛み付いて、それを取ろうとしているところだが、無理に取ると、 歯が皮膚の中に残るというので、タバコの火を押し付けて口を開けさそうとしてるのである。
 結局、このダニは噛み付いたまま死んでしまったので、むしり取るしかなかった。
 ついに出た。サソリもやはりいたのだ。
 野営地で見つかったサソリは小さくて、ちょっと透き通って いて、どうやら子供のようである。あまり怖くはなかったが、 それでもサソリには違いない。ひょっとして、親もその辺にい るかもしれないと思うと不安で、きょろきょろ周りを見てしまう 。

 こんなものを見ると、ああ、俺はなんてとこに来てるんだ。 と思ってしまうのだ。
 このサソリには、だれも刺されることもなく、生態調査部会 が標本にしたそうだ。
 
 もう、やめてくれーと言う声も聞こえてきそうだが、もう一つだけ紹介しよう。
 それは、ラクダの鼻の中に住む寄生虫だ。 あるとき、ラクダがくしゃみをした。そのとき鼻から紙てっぽうの弾の ように飛び出てきたものがある。よく見てみると、姿も大きさもカブトムシの幼虫にそっくりの虫だった。
 だが、これがラクダの鼻の中に寄生している虫だったのだ。こんな大きな虫が鼻の中にいたら、さぞかし気持ち悪 かっただろう。想像しただけで鼻がむずむずしてくるのだった。

 砂漠には、こんな気持ち悪いものばかりでなく、ハリネズミのようにかわいい動物もいるのだ。オアシスが近いと、 小鳥もたくさんいるし、ほんとに楽園みたいだ。・・・・って、もうおそいか。(笑)
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