OFF
 らくだの旅なんて聞いただけで、のんびりしてそうに思えるだろうが、毎日のスケジュールは、30キロ移動、テント 設営、班部会活動、代表ミーティング、小隊ミーティングとけっこう忙しい。自分の時間はほとんどないのだ。
 疲れもたまってくるので、何日かに一回、OFFの日が設けられた。この日は一日中のんびりと、洗濯したり、昼寝 をしたり、各自それぞれの砂漠を楽しんだ。
 毎晩の食事のときにビールが1本づつ付くのだが、もちろ ん呑み助には足りるはずもなく、飲まない人のをもらっては 中国隊のトラックに隠しておき、貯まったところでビールパー ティーをしていた。こういうことはこっそりと行われることがあ るので、気を付けておかないと、自分が貯めといたビールも 知らない間に飲まれてしまってることがある。
 ビールは西安ビールや新疆ビールだったが、フルーティー で、なかなかうまかった。冷蔵庫がないのでぬるいのだが、 ぬれタオルを巻いて日陰で扇いでやると少し冷えて飲みや すくなる。
 このほかに日本酒パーティーや白酒(パイチュウ)パーティ ーも開かれた。どんなに騒いでも文句言われないのが砂漠 のいいところだ。
トンブーとギターの競演
OFFの日ははこんな格好でもOK!?
シュラフ(寝袋)を干す
 外国旅行で日本の物が食べたくなるというのは、よく聞く話だ。
 あるとき、誰かがもちを食いたいと言い出した。食料班の備品の中に もちがあったはずだ。あれを食べちゃおう。ということになって、食料班 にもちをわけてもらった。
 もらってきたのはいいけれど、ふと気が付くともち焼き網がないではな いか。近くにコンビニもないし、買いに行くわけにもいかない。
 しかたがないのでもち焼き網を作ることにした。中国隊に針金を分け てもらって焼き網を組んでみる。こんなもの簡単に出来ると思っていた のだが、けっこう時間がかかってしまった。
 やっと焼き網が出来上がり、もちを焼いてみる。
 だんだん焼き色のついてくるもちを、みんな黙って見つめていた。

 ここまでして焼いたもちがうまくないわけがない。
 みんな、にこにこしながら、ひたすらもちにかぶりついたのであった。
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