沙漠
月の砂漠を行くラクダの隊商、溢れんばかりの満天の星空・・・・そんなイメージに憧れて参加した隊員も多かった
だろう。実際には、夜に移動することはなかったのだが、満天の星空は・・・?
実はそれも見ることが出来なかった。意外に思われるかもしれないが、本当なのである。
沙漠にはパウダーのような細かい砂が絶えず舞っている。風によって空中高く舞い上げられ、大気を覆っているの だ。そのため、夜も星はほとんど見えない。月もぼんやりしてるのである。なんと残念なことよ・・・。
イメージといえば、砂漠という言葉には鳥取砂丘のようなイメージもあるだろう。たしかに砂丘も多いのだが、私た ちの行った西域南道はゴビと呼ばれる石混じりの河原のようなところが多かった。
タマリクスや胡楊と呼ばれる木や草が一面に生えているところもある。また、ヤルダン(風化土堆群)という、グラン ドキャニオンのミニチュアのようなところ(高さは腰くらい)もあったりして、なかなかおもしろい。
砂丘地帯。はるか遠くに見えるのが崑崙山脈
ゴビと呼ばれる石混じりの沙漠
小規模な竜巻があちこちで発生する
何もない砂漠でときどき私たちを出迎えてくれたのが竜巻だ。つむじ風をでかくした程度のものなのだが、5〜6個
いっぺんに出てくると圧巻だ。中に入っても砂まみれになるくらいで大した事はないらしい。
うねうねと天まで届くような竜巻も一度出会ったが、幸い遠かったので接触せずにすんだ。
竜巻より怖いのは砂嵐だ。これが来るともうテントから出れないし、テントの中にも砂がばんばん入ってくる。もう目 を開けていられないし口も開けられないのでマスクなしではしゃべることも出来ない。食べ物も飲み物も砂だらけで ある。砂嵐の夜はテントの隙間に土を盛る作業が深夜まで続いた。
胡楊の林
沙漠