「いじめ問題」を考える (2)
 先の「郵政総選挙」や、明らかに捏造(ねつぞう)作業をした「やらせタウンミーティング」あるいは「熟年離婚問題」などなど、大人達のこんな姿を見てしまった子供達に「君達は清く、正しく、美しく」と言ってみた所で、それは大人達の勝手な空言(そらごと)としか聞こえないだろう。
 この「いじめ問題」は、「いまの日本の空気」を根底から変えなければ!!と叫んでいる様に思うのです。
敗戦後のバラック生活

敗戦時のバラック生活
 たしかに、「すいとん」や「イモの葉っぱ」で空腹を満たした敗戦後の生活は貧しかった。他の事は犠牲にしてでも「生活が豊かになれば」とそれだけを願って、日本中が頑張ったと思う。そして今、生活は豊かになった。しかしその裏側で、「いじめに遭って自殺する子供」が増えたり、「ワーキングプア」なる新語が生まれたり、あるいは世界有数の「高自殺率国家」になってしまった。
日本は本当に豊かになったのだろうか?
なにか忘れ物をして、こなかっだろうか?
 あなたとあなたの出逢う一切は、まったくスキ間がないのです。あなたが気が付こうが、気が付くまいが、あなたの出逢う一切はあなたの世界(いのち)の中味なのですから。
あなたの出逢っているものを粗末にすれば、それだけあなたの世界(いのち)も粗末になります。いま出逢っているところを大切にすれば、それだけあなたの世界(いのち)も豊かになります。これは、気が付こうが付くまいが、しごく当たり前の事です。

 岡潔博士(1901〜1978)の言葉を借りれば、情緒の欠落してしまった人は、抑止力が働かず動物以下の行動に走ってしまう事があるということです。

お月さん

別冊 太陽  (株)平凡社
「しみじみ嬉しい実りの秋」より
(写真) 今森 光彦
 都会の夜に輝くイルミネーションも綺麗だけど、「お月さん」はもっときれいだとは思いませんか?。イルミネーションに目がうばわれて「お月見」を忘れてしまった日本人は何かさみしい気がします。
時には「心のギャア」を「イルミネーション」から「お月さん」に切り換えてみてはいかがでしょうか? 
ヴォーカリストで、散歩好きの鈴木重子さんは、よほどの事がないかぎり、「・・・・ありがとう、あなたは、私です・・・・」と今日出逢った一切に感謝して、ねむりに付くという。
なにか「大人」という観じがします。
 
        
         (平成十九年一月二十八日)           


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