横浜大黒埠頭から見た富士山  出直そう日本 目次
 (一)どうしてしまった日本
 (二)仏さまの教えて何に?
 (三)坐禅て何に?
 (四)結びの章
(田代博 「富士山展望百科」より)

岡潔博士からの気になるメッセイジ
 最近「おや?なんだ、これは!!」と思う様な事件が、多く起こっている。
今から、おおよそ四十年前に、岡潔博士は、日本人の抑止力が劣って来ていると、警告されていました。
ここで、その指摘の概要を、書き示しておきます。
 「獣類の大脳には本能やそれに伴う感情が時を過まり度を過ごさないように自動調節装置が付いている。然し人にはそれがない。人にはその代わり大脳前頭葉がある。人はこれによって善悪を判断し、悪いとわかれば抑止してしまう。これが大脳前頭葉の抑止力であるが、これは自主的にしか働かない。人がもしこの抑止力を自主的に働かさなかったならば獣類より遥かに下等な動物になってしまう。近頃 「そんなことをしてはいけないことは自分にはよくわかる。然ししないではいられないのである」 などと言って、この大切な大脳前頭葉の抑止力が働かない人が多くなって来ている。まるでブレーキの利かないダンプカーのようなものである。」
      (岡 潔 「昭和への遺言」 月刊ペン社 昭和四十三年発行より)
 尚、近年、岡潔博士が再び認識されはじめ、廃刊になっていた数々の随想が再編集され、復刊されております。
    ・「日本の心(人間の記録)」 (平成九年 日本図書センター)
岡潔生誕百年記念出版として 
    ・「情緒の教育」 (平成十三年 燈影舎)
    ・「情緒の創造」 (平成十四年 講談社) 
岡 潔(おか きよし)
 明治三十四年、大阪府に生まれる。幼少の頃から「人を先にして、自分は後で」と教えられて育つ。京都大学数学科卒、理学博士。多変数解析函数の世界的権威。昭和二十五年度日本学士院賞、昭和三十五年度文化勲章を受章。仏教や文学への造詣も深く、文化勲章受章の頃から、日本人の情緒が貧しくなってきた現状を憂い、執筆や講演などを通じて、警告を発しはじめる。昭和五十三年三月一日逝去 享年七十八歳。
 著作も多く、「春宵十話」(昭和三十八年 毎日新聞社)、「紫の花火」(昭和三十九年 朝日新聞社)、「日本のこころ」(昭和四十二年 講談社)など、数多くの随想を発表。 


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