ヴォーカリスト 鈴木重子(2)
鈴木重子2 そんな彼女が、あるコンサートでこんなことを言た。
「ニューヨークの同時テロをきっかけに、多くの人が平和について考えるようになったのは、とても良いことだと思います。
自分の中にある不満や怒り、怨みが外に向けられる前に、自分の中で、よをく聞いてあげ、外に向けられないようにすることが、大切だと思います。」と立ち話しでもするかのように、サラリといって、次の歌に入っていった。
すごい人だと思った。

 お釈迦さんは、自分の一族である釈迦族が、敵方の焼き討ちで滅ぼされて行く様を目にして「怨みは怨みをもってしたならば、怨みは息(や)むことがない。怨みを捨ててこそ息(や)む。」とつぶやいた、といわれている。

鈴木重子3 今日、「テロだ」「イラクだ」「やったら、やり返せ」と忙しい。われわれ人間、いまだ、本当には、成長しきれてはいないのだろう。
どうせわれわれ、不満や怒り、怨みだらけだろうが、しかし何かあった時、鈴木さんやお釈迦さまのメッセージを思い出してみても、良いのではないだろうか。
これらのメッセージは、人類の知恵であり、宝だと思う。

また、良い歌を聞かせて下さい。

 
(平成十五年十二月十二日)


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