モズの子育て | |
私の家の回りを縄張りにして、一年じゅうモズが居る。私を見かけると自分の縄張りを誇示するように、ケタケタケタとやかましく鳴きたてる。 耕しているときなど、すぐそばに来て掘り出されたミミズやコガネムシの幼虫などを、奪ってゆく。セキレイやキジバトなどが遠慮がちなのに対して、モズは傍若無人に振る舞い、あまり可愛げが無い。 そんなモズが相手を連れてきて、二匹で忙しく鳴きたてているのに気が付いた。とにかくうるさく鳴き合って、時々もつれ合うようなしぐさもする。 気をつけてみていると、剪定したばかりの月桂樹に、巣を作っているらしい。やがて一羽が餌を運んできて、それをもう一羽が奪うように取り、巣に戻って行く。この夫婦はとにかく賑やかで、巣のありかはすぐ分かった。 |
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時には連れ立って出かけてしまうので、椅子を持って行って覗いて見た。やっぱり卵が産み付けられていて、五個ある。ヒヨドリやムクドリなど巣を作っているときはあるが、子ともが巣立つ時くらいまではおとなしく子育てをしている。そんなに気を引くことはないのだ。 とこが居間に居てもうるさいほど二羽が鳴き交わしている。2月なのでまだ結構寒くて、獲物など少ない時期だと思うが、活発に動き回っていた。 |
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やがて2月の末くらいになると、餌運びが忙しそうになってきた。二羽が出かけているとき覗いてみると、気配を感じて雛たちが大きな口をあけている。 さらに大きく育つと、逆に気配を感じるとおとなしくなるようになった。巣が狭いのではないかと思うほど、雛たちが大きく育っていた。 居間のすぐ前なので、コタツに入って眺めていると、頻繁に餌を運んでくる。まだ寒い3月なのに、どうしてたくさんの餌を見つけるのだろうか。時間を計っていると、3分もしないうちに何か咥えて戻ってくる。 モズは生きているものを採って来るのだろうから、相当探すのが大変だ。 巣立つ時を見たかったが、忙しくしていて気が付いたときには、巣が空になっていた。無事に子育てを果たしたのだろう。 |
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