ある雨の朝、畑を見回っていると、写真のように落花生が引っこ抜かれていた。食べた形跡はない。
 自耕園では、落花生は秋になるとすこしづつ収穫して、塩茹でにして食べる。甘くて、柔らかくて、落花生を栽培しているものでないと味わえない、独特な旨味がある。枝豆とも違う、落花生のゆで豆だ。
 その時、すでに熟しすぎてしまって硬くなった莢は除けて置いて、それを種として翌年殻ごと播く。惜しげなしに播いてあるので、少し間引くような抜き方なら構わないが、まとめて抜いている。殻も付いているので、結構力が要るはずだ。 下のようにトウモロコシも抜かれている。ゴボウも抜いている。
 いったい誰の仕業なのだろう。どうもカラスが、面白がってか、それとも興味を感じてか、抜いてみるらしい。食べているのなら、キジバトなどが考えられるが、ただ引っこ抜いて楽しんでいるだけのようだ。
カラスが愉快犯人なのか

 そこで、ゴボウは無理だったが、トウモロコシや落花生は植えなおして、金網で囲った。左のように防護してやっていると、こんないたずらはなくなった。
 この状態でひとまず定着し、やがて網の目から葉が伸びてくるようになったので、取り払ったところ、また抜かれた。相当大きくなっているのに、こりもせず抜くのである。
 そのために右の写真のように結構育ってからでも防護してやらねばならなかった。なぜカラスはこんな馬鹿なことをするのだろう。 
 線路の置石は、えさを貯蔵するためとか、その場所の目印とかいわれる。育ち始めの苗を抜いて、その下に何があるか研究しているのだろうか。これまでもカラスの訳が分からないいたずらに何度か出会った。
 詰め物をつついて取ったり、巻いてあるテープの端をくわえてはがしたりする。池の金魚に、ゴミ捨て場から餌になりそうなものを運んできて、落としたりもした。
 どなたかカラスのいたずらを解明してほしい。
   玉ねぎもやられた
 毎年タイミングを見計らって、玉ねぎを定植する。玉ねぎの自給のための苗作りは、結構神経を使う。最初はただ栽培していたので、夏になると芽が成長して、秋には玉が痩せ食べられなくなり、捨てていた。
 貯蔵用のいい種を選び、広めの苗床にできるだけ薄く播く。そして10センチくらいに生長した苗の混み合っているところを移植し、3倍くらいに植え拡げる。こうすると苗床には移植しなくてもいい苗が残り、植え痛みがしないで成長する。
 慎重に雨の前日、苗床に並んだ畝に3列に定植し、夕暮れまで頑張った。ところが雨上がりに見ると、右のようにすべて抜き取られ、千切れている。よく見ると苗の地際がすり潰されたように鈍く切られ、植えなおしても育つとは思えない。
 細心の注意を払って頑張って定植しただけに、悔しくてがっくり力が抜けた。大切に育てたものをいたずらで台無しにされることほどつらい事はない。もう植え替える苗もなくなってしまった。あらされた後を見るのもつらかった。
 半月ほど後になってやっと気を取り直して再度植え拡げ、次の冬まで食べられるだけの玉ねぎを育てた。定植の後竹で厳重に保護したのは言うまでもない。
表紙に戻る 自然のまま耕すに戻る 自分の力で耕すに戻る 自分自身を耕すに戻る 自給自足の楽しい調理に戻る