今年は赤紫蘇と青紫蘇を蒔いた。毎年ことさらに種を蒔かなくてもいくらでも生えてくるのだが、なんとなく交雑しているような不安がある。 その上昨年はエゴマをたくさん作った。エゴマは紫蘇と種としては近くて交雑する。エゴマの葉の裏を見ると赤く色づいているものもある。 そこで、この際本物の青紫蘇や赤紫蘇の更新をするため、種を蒔いて育てた。勝手に一人ばえで収穫できるのだから、手をかければ採れすぎるのが当たり前、それに梅も収穫が少なく、漬けられなかった。 そのふんだんな赤紫蘇を見て、ジュースを作ってくれた。不思議なことにゆでた赤紫蘇は青くなっている。紫蘇の紅い成分は何なのだろう。コップの右上は原液、下は少し薄めて飲みやすくしたものだ。 赤い色が全部溶け出したようで、左のざるの中のように、青い色になっている。 |
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食卓に乗るとこの色はよく映える。色だけのことを言えば、いくらでもきれいな赤い色の飲み物はあるが、これは正真正銘の畑の紫蘇なんだとわかっているから、胡散臭くない。 砂糖はあまり好きではないので、ほんのわずかしか入っていないのだが、それでも甘みは感じる。だから紫蘇の味はほかの味覚を支配したり、排除しないのだろう。 実は青紫蘇でも同じように作ってみた。赤い色は出ない。しかしこれにクエン酸・りんご酢・などを入れると紅くなるのだという。だとすると紫蘇の赤い色は何なのだろうか。 ここまで考えてきたら、早速やってみることになった。右は鍋いっぱいの青紫蘇をゆでて、引き上げたところ。そんなに色もついていない。ゆでているときには台所周辺がなんだか紫蘇のやさしいにおいに包まれて、予想以上に期待してしまう。 さて左下の写真はクエン酸を入れて、色を比較したもの。左のコップがクエン酸を混ぜた後で、右がその前の状態である。色は上の写真とは似つかない黄色っぽい色だ。 しかしクエン酸の酸味が強く、砂糖をひかえているのでとても飲みにくい。色が出るかと思ってクエン酸も多かったかもしれないが、砂糖を沢山にすれば、もっと飲みやすくなるかもしれない。 それでもやはり赤紫蘇のジュースのほうが、色も味もいいと思う。梅干の酸と反応して、青紫蘇でも紅くなるのならい青紫蘇でもいい理屈だ。やはり昔の人も赤紫蘇を好んだと思う。赤紫蘇は葉の色がより赤いのを選んで植え替えて種をとり、それを繰り返して今に至っているそうだ。 京都のしば漬けに、紫蘇の赤と酸味が合うのも、長い伝統が味を引き立てているのかも知れない。 |
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