春の林床

<クマガイソウ>
                        ラン科アツモリソウ属       Cypripedium japonicum
  
名を「熊谷草」と書きます。源氏方の武将・熊谷直実が、自分の子供と同じくらいの年齢であった平家の公達・横笛の名手平敦盛をやむなく討ってしまったことを悔やみ出家してしまう話は、有名です。
別種のアツモリソウ(和名:敦盛草)に対比させて、この花のことを、熊谷草とよぶのは、袋形の唇弁が、直実の背負っていた「母衣:ほろ」に似ているところからつけられた名前です。別名「ほろかけそう」。一斉に開花した風景に出会うと、ちょっと不思議な、それでいてユーモラスな感があります。

茎は直立し、しわ(細かいひだ)のある膜のような・うちわのような葉が、2枚対生します。横向きの大きな花は、先がややとがり紅紫色の網目があり、前面には口が開いています。



<ユキモチソウ>
     サトイモ科テンナンショウ属
     Arisaema sikokisnum
<オオマムシグサ>
     サトイモ科テンナンショウ属
     Arisaema takedae
高さ  40cmほど
変異が多いとされる小葉は、ここでは鳥足状に分かれないで、楕円形になっています。上に伸び上がった仏炎包は、紫褐色で外側は白い縦の筋があります。

テンナンショウ属は虫媒花で、特有の良く目立つ仏炎包は、花粉を運ぶ虫を誘う「罠」のような働きをするといわれています。葉間からのびた花茎の先端は、大きくふくれて、雪のように白いため。ふんわり丸いお餅のように見えます
高さ  80cmほど
植林された明るい杉林に、何株も点在して見られました。

比較的明るく、時には日差しも届く林の中です。
秋に果実が赤く熟し、小鳥が好んでついばみに来る姿が見られるといわれているので見に行って見たい気がします。
果実を食べた後種子だけが吐き出され、散布されます。

             



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