秋の七草 |
俳句の中に |
<藤袴 ふじばかま> キク科ヒヨドリバナ属 藤袴何色といい難かりし 粟津松彩子 薬用・香草として中国から渡来しました。葉や茎に桜餅の葉の香りの成分があるので衣服に付けたり、湯に入れたりされていました。 茎先の淡紫色の花は、この句のように咲き進むに連れて微妙なグラデーションとなります。 |
<桔梗 ききょう> キキョウ科キキョウ属 桔梗花咲くときぽんといいそうな 千代女 紙風船のようなつぼみの形から、ヨーロッパでも「バルーン・フラワー」と呼ばれ、親しまれています。東西を問わず姿からのイメージは、共通のものがあるようです。朝顔のためにもらい水をしたお方のしなやかな感性は、この花に「ぽん」という表現を選ばせたのですね。 |
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<撫子 なでしこ> ナデシコ科ナデシコ属 撫子や堤ともなく草の原 高浜虚子 カワラナデシコ。花弁の先が糸のように細く裂ける五弁淡紅色の花を付けます。 秋の七草の中で最も可憐な花として、愛されています。特に風邪に揺れる姿は風情があります。 |
<葛 くず> マメ科クズ属 葛たるる山川こ々に瀬を早み 掛木爽風 紅紫色の花は、香りがあり七草の1つに数えられています。が、何よりこの根が、「葛根:かっこん」と呼ばれて、漢方薬として、有名です。葛根は、風邪の時にあせを出したり、首筋の懲りをとったりする作用があります。 |
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<女郎花 おみなえし> オミナエシ科オミナエシ属 裾山や小松が中の女郎花 正岡子規 根を乾燥させたものを、化膿症や腫れ物に使うそうです。生薬名は、「敗醤根」。文字通り花の姿からは考えられないひどい匂いだそうです。(イメージを壊してはいけませんね。)優しい花姿が愛され、「万葉集」にも10首ほど詠まれているといいます。 |
<芒 すすき> イネ科ススキ属 山は暮れて野は黄昏の芒かな 蕪村 野原のいたるところに生えています。穂を尾花ともいいいます。刈って屋根を葺くく材料に用いられた事からカヤ(茅)と呼ばれることもあります。 下図は、ナンバンギセル。循環バスの道路沿いのススキの原っぱの中に咲いていました。ススキの根に寄生する植物です。これも秋の風情を感じさせます。 |
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<萩 はぎ> ハギ科 一つ屋に遊女も寝たり萩と月 芭蕉 厳密には、草ではなく低木のヤマハギをさします。山野の草叢に点ずる紫紅色の優しい花は七草と呼ばれてもなんら違和感がありません。山だけでなく、庭先で、こぼれながら咲く姿も可憐です。 |
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