雑感3

       

旅立たれた先生


ある医師が、2006年2月16日に他界された。
歯に衣着せず、ものを言われる熱血漢の脳外科医だった。情にも厚く、患者の目線で話をされる患者思いの優しい医師でもあった。


4年程前から、掲示板でお話をさせていただいたが、先生ご自身も病気を持つ身で患者の気持ちがよくわかると仰っていた。
しかし、精力的に仕事をされ、また遊ぶ時にはよく遊べの精神で遊ばれる、そのパワー溢れるお姿には、病気のことが信じられないくらいだった。


私は、このホームページを暫くの間、閉じていた。見られなくなったホームページに、リンクを貼っているのは無意味である。にもかかわらず、先生はいつまでもリンクを貼ってくださっていた。


「大事な患者にはそりゃ特別扱いするよ。それが人情っていうもんだろ。医者だって人間なんだよ。」なんて平然と言ってのける先生。口ではそんな風に言われていたが、どの患者に対しても丁寧に診察をされて、お昼で終わるはずの外来が、夕方までかかることもあった。そんな先生だからこそ、私のホームページに今までリンクを貼ってくださったのだろう。


1月になって、久しぶりに先生のホームページを拝見して、その優しさに慌てた。先生のお気持ちにお応えしなければと急遽ホームページを再開した。2月16日に出張から帰ったら、リンクのお礼と元気に仕事をやり遂げたご報告をしたいと思っていた。そんな矢先の訃報だった。


先生は身をもって私に生き方を教えてくださった。48歳10ヶ月の短い人生であったが、濃厚な時を過ごされたように思う。生まれ変わっても脳外科医をやりたいと仰っていた先生。脳外科医は天職だったのだろう。有限な時間の中で私も先生を見習って充実した時間を送っていこう。