目のみちしるべ 臨時情報
緑内障が変わる(2008.1.16)
最近の眼科診断及び治療は大きく考え方変って来ており、昨年の統計では中途失明の原因の第1位は糖尿病性網膜症を抜いて「緑内障」となっております。
他科の先生も古くから知られている緑内障の概念が大きく変化していることを知っていただきたいと思います。
従来は眼圧が上昇し、視野と視神経に異常が起こり失明に至る疾患であると考えられておりました。
しかし最近の疫学的検査と画像解析では眼圧が正常であっても視神経障害を起こしてくるものも緑内障としています。
つまり、緑内障の定義が視神経と視野に特徴的変化を有し、通常眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患であると定義されました。
「急性緑内障発作」として知られております頭痛、吐き気を伴う疾患は急性原発閉塞隅角症という病名とされ、視野と視神経に異常を来たして初めて「緑内障」という病名がつけられることになりました。
緑内障というのは瞳がひらいて目が緑色に見えることから付けられた病名であることから眼科専門医でさえ戸惑うことがありましたが、最近の疫学的検査と視神経の画像解析から定義された「緑内障」がこれからの「緑内障」ということになります。
このことは今年4月に開催されました医学会総会の講演にもあり、世界的にも緑内障の定義として認められています。
即ち、緑内障を緑内障性視神経症として定義されたことにより、今後、より眼底検査にて視神経の観察が重要になります。このことは国際的にも知られており様々な研究が報告されております。今後眼圧以外の因子として視神経に障害を起こす原因がいろいろ検索されると思います。
視神経への血流量の低下を引き起こすことなどにより網膜神経節細胞が死滅し次第に視野が欠けて失明となります。一旦死滅した視神経線維は元に戻らないので早期に発見し、十分な眼圧のコントロールや血流量の低下を引き起こさないよう治療と経過観察が大事になります。
失明原因の第1位となった緑内障の診断治療は眼圧のみではなく、眼底検査で視神経を詳細に観察することにより早期発見ができますし、最近は多くの緑内障点眼薬が開発され、手術は少なくなってきております。
緑内障のみならず、糖尿病、高血圧、動脈硬化など眼底検査の重要性を強調しておきたいと考えます。
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