むべとフェィジョア  2

 初冬になると、そんなに期待していなかった果物が出来ている。カリンやボケなど、その実を当てにしているわけではないので、特に食べ方など考えていない。今年はフエィジョアがたくさんできたし、ムベが4個なっていた。

 今年はムベが4個しかならなかった。垣根に絡ませて相当大きな面積を占めているので、だいぶ丁寧に探してやっと見つけたものだ。もう何度も霜に当たっているし、少し柔らかくなっているうえに、きれいな赤に近いピンク色をしている。

 アケビはとうの昔に開いて、中身も落としたり、野鳥に食われたりしただろうし、皮も跡形もないが、ムベは口が割れないので残っていた。

 切って中身を食べてみたが、種が多くてアケビと同じようだが、少し果肉が多くてやさしい甘さをしている。それにしても皮は苦味もなく、食べて食べられないこともないが、味もない。

 アケビが胃などにいいと言われるのに対して、何かとりえがあるのだろうか。それとも今の時期まで残っていて、葉は常緑の上にピンクがかったかわいい実は、カラスウリのように秋の風物詩として、鑑賞するだけなのだろうか。

色づいてきたムベ

色づいてきたムベ

 今年特にたくさん収穫できたものにフエィジョアがある。この香りのいい青い実は、どう利用するのがいいのだろう。毎年車の中や玄関などに転がしておいて香りを楽しんでいるうちに、変色してきて捨ててしまう。

 生食やジャムに向くと言う説明があるが、果肉は結構すっぱい。今年は栄養士で料理アドバイザーの肩書きを持つ橋山美知子さんが、乾しブドウやリンゴとともに煮込んで、素晴らしい料理を開発した。

 その素晴らしい味と香りは表現できないが、少なくともかつて口にしたことのない高級で深みのあるおいしさだった。この一品で、ワインでも日本酒でも、うまさが引き出されることは確実だ。

 フエィジョアは2本のうち1本は枯れたが、残りの一本で今年は花も実も十分楽しませてくれた。




収穫したフエィジョア                                  フエィジョアの花


  フエィジョアのなっている様子


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