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 遅れていたヤマノイモの収穫をしました。昨年はあせったので、たくさん切れ切れにしてしまった。今年は丁寧に全部の畑を掘り起こすつもりで、掘り崩して芋の首を出し、堀上げました。それでも長くなる種類は切れてしまいました。
 一方丸くなる種類は巨大なものができて堀上げやすく、その結果大量に取れて抱えたらミイが割れてしまいました。
 私の育った但馬の山里では、秋の取り入れの合間を縫って、みぞれや霜の降りる前にやまいも堀に出かけました.秋の始まりの頃からどこにどんな蔓の広がりがあるか目星を付けておくのですが、人に先を越されたり時期が遅くて芋と蔓が離れてしまったりすると、その芋はあきらめなければなりません。
 屈強な男性の弁当を持って一日の仕事として、大人の肩甲骨くらいな大きなものを、折れないように炭俵に5-6本も掘りあげてきたら上出来です。岩などの間の急斜面に大きなものがあるのは、イノシシなどに食べられないものが育つからでしょう。平地に丸いものが出来ていたらとっくに食べられてしまいます.掘り取る道具は柄の先に不等辺三角型の細い鉄のつめがついた簡単なものです。
 斜面の岩や土を掘り崩し、気長に不恰好な芋を掘ります.力と根気の勝負です.この自然薯は、とても精のつく貴重な栄養源でした.麦トロの名物の店で、大盛況のところにいきましたが、薄くのばした汁を味付けしてかけてあるだけでした.たっぷりの芋に卵やだし汁を入れてすり鉢で摺ったとろろは、家でしか味わえません。
 山里の掟として芋の首の部分を埋め戻しておき、次の年の成長を期待したものでした.もはや山が荒れ、自然薯堀なんか行く人があるのでしょうか。炭焼きなんかよりも、廃れてしまう山里の自給技術なのでしょう。


ヤマノイモの収穫ヤマノイモの収穫大きな山芋でミイが壊れた
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