この秋は

    よべのつき二〇〇七

     

     

     

     

     

     

    昨年は涙をのんで我慢した観月薪能、

    今年は行くよ!!と母娘で張り切ったら、

    なんと今年は満月の日では無いという。

    でも、ま、いいかと二人トコトコと上野城へ。

    演目は『小鍛冶』『鬼瓦』(狂言)『船弁慶』で、娘は『船弁慶』は

    二回目ということもあり、ずいぶんと説明をしなくてもよくなった。

    (説明のためにわたしが勉強するという特典もあったのだが、ま、いいか)

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    城目指す大小の靴こぼれ萩

     

     

     

    大小の靴としたが、娘の足の大きさはすでにわたしと同じサイズ。

    これからは追い抜かれていく一方だ。

    追い抜かれたといえば、ことしは娘の当たり年で、春の『さくらの俳句』

    夏の『ラムネ俳句』に続き、この秋の『芭蕉翁献詠俳句』の子供部門にも入選した。

     

     

     

    えんぴつも葉っぱも雲も夏休み  ひでこ

     

     

     

     

    学校があるので行けない娘にかわって献詠俳句句集を購入すべく芭蕉祭へ。

    芭蕉祭の日は雨が降ったことが無いとのことで、今年も空の綺麗な日だった。

     

     

     

     

    日の当たる席は汗ばむほどの日差しで、献花の菊の白がまぶしい。

    献歌や特選句の表彰があり、芭蕉さんの絵を描いた幼児が座っているのが

    つまらなくてごそごそしたり、大人は大人でうとうとしたり。

     

     

     

     

     

    さはやかや子の絵に遊ぶ芭蕉翁

     

     

    どうしてもはずせない用事が正午過ぎにあり、芭蕉祭を最後まで見ずに退出。

    頼んであったものを受け取り、昼食もそこそこにまた上野へとんぼがえり。

    なぜって、句会があるから。

    今年も茨木和夫氏の列に座り、ご挨拶申し上げたり、

    一緒の列でおしゃべりしていたかたが、インターネットの句会でご一緒している

    かただということが判明し、彼女を帰りに駅まで送ったりと、楽しいかった。

    句会?互選あり、入選ありだが、特選には届かず、つまりは賞品にあたらず。

     

     

    宮田正和選 入選

    居眠りの名人とゐる菊日和

     

     

    ああ、残念、でも無形のよいことがたくさんあったから、今年もよい秋、

    よい月の秋。

     

     

     

     

     

    2007.oct  Photo / 文 / 句: 坂石佳音

     

     

     

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