2009年 こてこて京都西陣

 

 

 

 

2009.10.18 ()

 

 

 

「ひでこ、こてこて吟行句会なんだけど。。。。」

 

「うん、いってらっしゃい。おみやげね〜♪」

 

 

 

娘にあっさりと見送られ、

釣り人に車で送ってもらった日曜日の午前七時の駅は

霧の中だった。

カスタードプリン

 

 

 

 

 

 

 

 

伊賀はやたらと霧が発生する。

天気予報も「伊賀地方は濃霧注意報」と出ることが多い。

この日もそうで、駅周辺をすっぽりと雲につつまれている感じ。

レモンケーキ

 

 

 

 

  

 

 

チョコレート

 

 

改札に向かおうとしたら、霧の中から「おはようございます!」と元気な声。

振り向くと、友人の息子で我が家に書初や俳句の宿題を

持って来る中学生が体操服姿で立っていた。

部活動(卓球部)の遠征らしい。

 

              ザッハトルテ

 

「おはよっ。試合? がんばってなー。」

 

「はい!!」

 

いいお返事の元気な少年らと別れてホームへ。

電車到着まであと二分。

 

 

 

朝霧の駅舎であはす腕時計

 

タルト

 

 

霧は濃かったが、電車は定刻どおりに入り、出発した。

最初は真っ白だった車窓は少し走ると突然景色が鮮明になり、

いつもの田園風景が広がった。

 

 

カステラ

 

日の差すや刈田の奥の猫車

 

神無月お背戸の脇のトラとミケ

 

晩秋や太公望の椅子と傘

 

 

 

 

 

 

キャンディー

 

 

秋澄むや天然色のスポーツ誌

 

小鳥来る大き鞄の令夫人

 

キャラメル

 

 

京都に近づくと和服姿の女性が増えて、地下鉄には洋服姿ではあるが

『着物バッグ』を持っていらっしゃる方も。

 

 

 

 

 

 

 

 

30分早く着いた地下鉄鞍馬口の改札にはすでに幾人かの句友、

初めてお会いする方も。

そしてわたしも今日は初めての方をお連れしていた。

今回はいつものメンバーは欠席者が多く、かわりに

四国・北陸・愛知など遠来からの初参加者もあり、にぎやか。

にこやかに挨拶をかわして、吟行開始。

ビスケット

 

 

 

 

白風や少し離れてをんな立つ

 

先達の藍の上着や秋うらら

 

 

 

 

  

 

パウンドケーキ・メレンゲ

 

 

 

ルリユールとすれ違つたかもしれず秋

 

大小の表札並ぶ菊日和

 

 

 

表札がひとつというお宅は少なく、年月を経てよい色になった

木の表札が玄関に。

あたらしい門構えにゆらゆらっとひかれると思ったら、

 

 

 

秋扇や佳音さん家を見つけたる

 

 

 

 

 

 

 

あら、こんなところに佳音さん。

呼び鈴を押してご挨拶申し上げたくなるけれどガマンガマン。

 

 

マカロン

 

エッグタルト

 

 

 

 

 

 

 

みんな一緒でみんなばらばら、メモを取る人、写真を撮る人、

みんなバラバラ、でもみんな一緒。

 

 

 

鰯雲見むしんがりに手を振つて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サヴァラン

 

 

本法寺前町時折秋の蝶

 

今日庵の屋根越しの秋の雲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さやけしや猪の阿吽の鼻面も

 

落し物拾ひに戻る秋暑かな

 

パンナコッタ

 

 

 

今日庵の前を過ぎ、本法寺を抜け茶道資料館へ。

一階展示室に入っていきなり大きな鳥(鴨)の香炉に出会い惚れてしまったり、

茶入がステキだと立ち止まったり、異国の紳士に

日本文化の説明をしていただいたり。

こちらの入館料にはお薄をいただくお茶券もついていて、

呈茶席は立礼で、正客の席に座ると、亭主さんのたてたお茶をいただくことになる。

まったく不調法者のわたしがなぜか正客。

でもええ席や、なにもかも見晴らしがいい。。。。と喜んだり。

本日の器の中に細川護煕氏作がいくつかあって驚いたり。

 

振り向くと先ほどの紳士一行が我々の後で静かに待っていた。

 

 

 

  

 

 

焼き栗(田丸弥)                  .

アップルパイ

 

 

秋のかたちの主菓子を半分に

 

爽籟や手指になじむ楽茶碗

 

深き眼の異国の男竹の春

 

 

 

パンプキンプリン

堀川通を渡る。

いかに広い通りとはいえ、かなり余裕のある信号。

それを一度で渡りきらないところが吟行。

中央分離帯があれば一休みして、

あっちを覗き、こっちを眺め、触り、撮り、

うろうろキョロキョロ。

 

 

 

銀杏の脱皮のあとのくつちやくちや

 

ゑのころを摘んで堀川寺之内

 

秋草の諸手ひろぐる真昼かな

 

 

 

 

 

 

ゼリー

 

 

 

 

 

 

門毎の火色のバケツ秋高し

 

秋晴や鍾馗像坐す京の屋根

 

 

バームクーヘン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋爽やむかし湯屋てふ食べもん屋

 

 

クレープ

なかなかに前に進まぬ一行ではあるが、

少々おなかがすいてきたということもあり、あれこれ見たいものを

ちょっとだけ(はい、ちょっとだけ)ガマンして、先を急いだ。

昼食は町屋カフェ『サラサ西陣』にて。

同じマジョリカのタイルを使用の船岡温泉はご近所で現役営業中。

隣のわらび餅屋さん(『茶洛』)はこの日も売り切れ。

残念。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クッキー

 

 

『サラサ西陣』の隣では町屋をそのまま利用して、アーティストが作品を制作したり

展示販売している『SOHO町屋藤森寮』があり、入り込んだらなかなか出られない。

このページトップの写真のガラス玉の胴体の虫たちをはじめ、

魅力的な小物が多々並び、それらが収まっているこの建物自体が

何より魅力的なのでついつい長居。

 

いくつか向こうの筋では『鉾参通り工芸展』なるものが開催されており、

通りに出店がいくつも出て魅力的だが吟行吟行。。。

 

マドレーヌ

 

 

色なき風のまぎれこむマグカップ

 

秋簾男迷つてゐたりけり

 

十月の陽の射す百色眼鏡かな

 

うなじにかろし秋色のペンダント

 

玉の緒や海のささやき購へり

 

木犀や行きつ戻りつ京の町

 

 

 

ミルフィーユ

 

 

 

スイートポテト

 

各々自由といいながら全員そろって『織成館(おりなすかん)』へ。

10名以上は団体割引というのも嬉し、こちらもお茶がついているのも楽し。

 

 

 

 

 

 

 

 

柿すだれたれもはらからめいてをり

 

金秋や能装束に萩と栗

 

おもふより大き花房藍咲けり

 

 

チョコパフェ

 

 

 

 

  

 よそにはなさそうな看板 ティラミス

  

 

 

 

あちこち寄りたかった所に後ろ髪を引かれつつ、句会場の町屋へ。

本日の句会は京都の句友の住まいにて。

わたしは伺ったことがあったが、新たに天井板を張って二階部分を作ったとのことで、

懐かしいような新鮮なような。

 

月下村工房

http://www.geocities.jp/gekkason/

(上記URLより入り、『セレネッラの咲く頃』もご覧ください。)

 

かのんくら・あのね「雨もまた」

http://www.nava21.ne.jp/~chez.ima/anone20060226.html

 

 

 

 

とつおいつ眺むる帯地秋真昼

 

妖精のひそむ屋根裏秋ともし

 

 

 

 

>゜))))彡

 

 

 

 

 

 

 

わいわいと句会を終え、二次会と称する宴会へ。

常のこてこて吟行句会ならば、ここでも短冊がまわるのだが、

今日は、まっ、いっかとおしゃべり三昧。

途中電話で欠席投句者とお話したり。

 

 

プリン

少年のやうなこゑ聴く秋の耳

 

秋深し知らぬ名の酒頼みたり

 

夕月や皿の文字の摩訶不思議

 

爆弾コロッケ炸裂の秋座敷

 

 

吾亦紅姦しきとはこんなこと

 

 

 

 

 

 

 

 

おしゃべりもお料理もおいしゅうございました。

 

 

プレッツェルン・シャーベット・ソフトクリーム・マフィン・シュークリーム・ハーゲンダッツ

レアチーズケーキ・スノーボール・フィナンシ・モンヴラン・ショートケーキ

ホットケーキ・シナモンロール・ロールケーキ・チョコケーキ・ガトーショコラ

ミルクレープ31アイスクリーム・ニューヨークチーズケーキ

 

 

 

 

 

 

 

「ひでこさん、あのぉ・・・・・・・・・・

さっきから文のあちこちにお菓子の名前が浮いているんだけど・・・」

 

 

エクレア・フォンダンショコラ。。。。。でっ、おみやげは?!!!

 

 

「はっっっ、ありませんんん。」

 

 

 

これまた行くことになりそうです、西陣。

 

 

かのんのキョロキョロ日記でした。

 

 

 

>゜))))彡

 

 

 

 

2006.10.2

 

 

 

 

写真/文/句:坂石佳音