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我が家のサンタクロースが今年またひとり増えました。

おとーさんた、おかーさんた、おにーさんた、そして新人のおじょーさんたです。
三年の間に三人の祖父母の二人はこの家を去り、今は家族は五人なので、

人間は実質的には減っているのですが全員サンタ状態の家の中はなんだか不思議。

 

 

娘は今年もブーツが欲しいらしく、それをクリスマスプレゼントとして

靴下に入れて欲しいと言い、我々にも靴下を下げよというので、

今年初めて家族全員の靴下をぶら下げてみました。

どのドアノブにも大きなカラフルな靴下が下がって

クリスマスの気配があふれています。

 

 

 

 

右だけの大き靴下待降祭

 

 

 

 

わたしが色々とにかく忙しく、クリスマスイブも仕事だったので、ケーキを

どうしようかと思っていたら、まずは息子が「パンを焼くよ」と言い、娘が

「じゃあ、わたしがケーキ。でもスポンジは一人では焼けないから飾りだけするね」

と言ってくれたので、わたしは24日は鶏や副菜の準備を少しだけして、

「ほんまに空が青いねぇ。」などと思いながら仕事に出かけることが出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北極へつづく青空クリスマス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕事を終えて急いで帰宅すると、パンもケーキもできており、

あとはちょっと台所に立つだけでした。その「ちょっと」も両脇に

助っ人がいて大助かり。

階下の祖母を呼んでの夕食は今までのような「サンタさん来るかなぁ」といった

かわいらしい話はもうなかったけれど、息子のパンはふかふかだったし、

娘のケーキは家族全員のワガママ(トッピングのリクエストが

バラバラだった)を上手に取り入れてステキに仕上がっていて、

「もうおなかがいっぱいや、ケーキは無理かも。。。」とつぶやいていたはずなのに

またフォークを動かしている五人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パンもケーキも作ってもらってん。楽やったぁ。ええわあ、子らが育つって。」

とわたしが言えば、ばあちゃんは何度も「そうやな、ほんまやなぁ」と頷く聖夜。

おなかいっぱい、おやすみなさいと解散しました。

 

 

 

 

もう一度聖樹を見上げ眠りけり

 

 

 

 

でも、それでおしまいではないクリスマスイブ。

なんといっても我々は皆サンタクロースなので、

息子と娘はばあちゃんの靴下に用事があったし、

わたしたちは息子と娘の靴下にちょっとナイショがあった。

(娘はブーツ、息子は鞄と帽子を自分で選んで我々が買ったものを

靴下の脇に置くことになっていたが、それだけでは、ね、ということで、

こそっと靴下に詰め込むお菓子をたくさん買ってあった。)

かくいう我々夫婦もいつもはかしこまって『プレゼント』なんてことには

しないようなものを今年は靴下があるので

『クリスマスプレゼントということに。。。』と包装したものを

大きな靴下に押し込んだり、一通りごそごそしてから眠りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ朝日もささぬ早朝、ごそごそと音がする。

プレゼントを覗いているのかな?と思ったが、音がかなり近い。

どうやら我々の寝室の前で誰かが何かをしている様子。

起き上がろうとする夫を押し留めていたらぴたぴたと足音は去りました。

 

目覚ましが鳴って、扉を開けると、知らない小さな包みが今年始めて下げた

我々のそれぞれの靴下のそばにあり、

小さな小さなメッセージカードにはおじょーさんたの字で

 

「毎年ありがとう」

 

とひと言。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉛筆の字のクリスマスカードかな

 

雪を待つ三人四人クリスマス

 

 

 

 

 

前略サンタクロースさま

 

こちらこそ、本当に本当にありがとう、

また来年お会いしましょう、

そしてお茶をいただきましょう

みんなでね。

では、また来年。

 

かしこ。

 

 

 

 

 

 

 

 

『前略サンタクロースさま2004』はこちら。

 

 

 

2008.Dec....Kanon