続・雨もまた

大きなカバンのK、終点めぐりの旅

2006.NOV

 

 

たいせつなお客さまです。

いつも大忙しの彼女に

ゆっくりしてもらいたい、

楽しんでもらいたい・・・・

 

 

 

 

ちょっと早いけれど、せっせ、せっせとクリスマスツリー。

 

 

 

 

 

>゜))))彡   >゜))))彡

 

 

 

以前、『増殖する俳句歳時記』の句会で東京に出かけた折

泊めていただいたかつこさまがお仕事で来阪。

大阪から伊賀は結構遠いのだが、

我が家においでいただけることになった。

我が家は皆大喜び。

ところが、彼女は夕刻まで仕事、わたしは夜まで仕事の日ということもあり

まことにばたばたとせわしない、一夜だけのおもてなしとなった。

夜は寝ようね、と、早寝にはちょっと遅いけれど就寝。

だって、明日は千里へ、そして箕面まで行くのだから。

 

 

 

列車着くたび背伸びの冬帽子

 

ちやんちやんこ大き鞄の前に座す

 

髪留のとりどり並ぶ布団かな

 

湯婆や平仮名で呼ぶぬいぐるみ

 

 

 

 

 

 

 

次の朝は休日にしてはちょっと早起き。

息子がパンをこね、娘がお膳立てをし、皆で朝ごはん。

21時頃に着いて、翌朝の9時頃には出かける。

「もう行くの? えー、つまんない。」と娘。

また遊びに来てね、きっと来るよと約束。

後始末も二人に任せて、かつこさまとわたしは出発。

「かあさん、今日はカバンが小さいねぇ。」

息子の指摘通り、いるものいらないもの色々入れて

いつもカバンの大きなわたしは、今日はほどほどのカバンをさげ、

八泊九日の、大きな荷物のかつこさまと一緒に

よいしょと担いで、ゴロゴロと曳いて

ほろほろとおしゃべりをしながら大阪へ向かった。

 

まだしばらく関西で仕事のある彼女は先にホテルに荷物を預け、身軽に。

今日の天気予報は雨。傘を準備しつつ、降るかしら、降るやろか?

だって、これからお会いするかよさまは強力な晴れ女。

そしてわたしたちもなかなかの晴れ女。

あとは世の中の雨男さまが一斉にお出かけしないことを祈るのみ。

待ち合わせの千里にはお昼到着の予定。

 

 

 

 

 

 

千里ニュータウンは街路樹がどれもぐいっと育っており、紅葉が見事。

 

 

幾度も帽子なおして冬めきぬ

 

 

 

しかし、この日は日本中の雨男氏がお昼から一斉にタバコを買いに出かけたようで、

かよさまの素敵な新居にて昼食をごちそうになっている間に雲行きがどんどん怪しくなり

再び出かける頃にはとうとう雨に。

 

 

 

 

 

 

 

冬うらら小石に記す植木の名

 

松の枝の受くる時雨でありにけり

 

 

かよ・かつこ・かのん、皆名前に「か」がつくので、

誰がつけたか つぶやく堂スリーカーズ。

Web上では毎日話していても、実際に

こんなにのんびり三人で会えることはあまり無く、

今回かつこさまは大阪南港あたりから一気に伊賀まで移動、

次の日には伊賀から千里までと、電車の路線図の端から端への大移動。

スリーカーズ集合の実現はこの行動力のたまもの。

 

三人和気藹々と箕面までかよさま運転の車で移動、

角を曲がるごとにフロントガラスに落ちてくる雨粒は増えたり減ったり。

しかし、オンシーズンにもかかわらず無事、駐車場に入ることができたのは

この雨のおかげもしれない。 雨男さま、ありがとう。

 

ひとまず傘を広げて出発。

好天とは言いがたいけれども、雨もまたよしとカメラを首からぶら下げて

三人歩く歩く。

 

 

 

 

  

 

 

 

ゴミ箱には「おさるさんはつかえません」とある。

かの「このゴミ箱・・・おさるはひらがなが読める?」

かつ「『おさる』まで読んで『サル用だ!!』って使うかも♪」

 

 

 

 

 

 

かよ「もみじまんじゅうって・・・広島名物?よね???」

 

 

 

 

   

 

 

 

 

  

 

 

 

かの・かつ「みせのせのせみー♪」

かよ「なになにそれ?????」

かの・かつ「みせのせのせみですって。」

かよ「??????わかんなーい。」

 

 

 

 

  

 

 

寒猿の人声に目をそらしをり

 

 

 

 

 

 

冬紅葉雨落つる日は雨の色

 

 

 

 

  

 

 

 

山眠るゆるゆる歩く滝の前

 

くさめして役行者を驚かす

 

 

 

 

 

 

時折は傘傾けて冬紅葉

 

 

 

  

 

 

 

 

手袋の箕面の泥をはらひけり

 

 

 

 

 

 

冬紅葉積む眠さうな山の神

 

 

 

  

 

 

 

冬灯足音拾ひ拾ひゆく

 

 

 

 

 

 

 

約束したおみやげはもみじのてんぷら。

かつこさまから『もんちゃんせんべい』という名の

お猿の顔の形の玉子せんべいをいただき幸せなカバンの中。

 

てくてく山を下って、街に戻り、車に乗って、

このあとは新大阪に向かい、そこで人数を増やして、

ごはんとちょっとのお酒とたくさんのおしゃべりと。

 

 

 

 

 

 

信号の止まれの文字日短

 

 

 

 

****

 

 

 

外套の箕面の雨の匂ひかな

 

 

 

 

 

かつこさまは、大阪のホテルにこれから数泊してお仕事。

かよさまは千里へ帰る。

わたしは伊賀へ帰る。

寄りて別れて、かつこ・かよ・かのん、スリーカーズ皆それぞれの夜。

 

 

 

大き鞄ひつくりかへす夜長かな

 

 

 

楽しかったね、またね。

 

 

 

 

句・文・写真(加工): 坂石佳音
2006 Nov

 

 

>゜))))彡 おまけ  >゜))))

 

 

<<お土産に持って帰ってもらった榠櫨ジャム>>

 

作り方

 

 

 

 



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