京大修士生 論文のために密着調査 「美女と野獣」ならぬ“美女とサル”が名張市竜口で話題になっている。 この“美女”は京都大学霊長類研究所(愛知県犬山市)で霊長類学を学んでいる修士1年生の山田彩さん(23)。昨年10月末から宇陀郡室生村西谷の農家に間借して、サルの調査を行っている。 山田さんは千葉県出身。横浜国立大学教育学部を卒業後、京大の霊長類研究所へと進んだ経歴の持ち主。修士論文で猿害ザルを扱うため室生村や名張市と関わっていた同研究所助手の室山泰之さんの紹介で同村へやって来た。10日間の現地調査の後、5日間研究所へ戻り調査をまとめるという生活を続けている。 調査をしているサルは同市赤目町や竜口の「名張B群」。赤目から室生寺南に及ぶ20数平方キロの行動圏は日本でもトップクラスに入るといい、奈良県では室生村下田口までを領域としている“軍団”だ。 サルの調査は、主に1.サルが山林で食べる植物2.サルが食べる畑の作物3.サルの土地利用の3項目。サルが食べるクスノキやナラなど100種類以上の植物の状態や活動範囲内にある13集落の田畑の位置をマップ化し、調査している。 大変なのは行動調査で、サルの首に取り付けられた電波発信機の音を追いながら現地調査の半分に当る5日間を費やし、サルに密着。行動状況を調べている。 山田さんは「私の研究がどれだけ地域の猿害予防に結びつくか分かりませんが、がんばります」と話していた。
人とサル “生活”かけ“せめぎ合い”

| 被害にあった住民の声を聞く猟友会メンバーら=名張市奈垣で |
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ニホンザルによる農作物の被害が広がっている。名張市南部地区でも例外ではなく、市農林振興室を通じ、定期的な猿害対策を行なっている市猟友会(菅尾照雄会長、会員59人)はテンテコ舞いの忙しさだ。一方、住民全体でサル被害の対策に取り組み、追い払いを実践する地区も現れ、人とサルの間で生活をかけた“せめぎ合い”が続いている。 市内には現在、A群、B群2つのサルの群れが確認されており、猟友会のメンバーが監視、追い払い、駆除といった活動を年間通じて行っている。
●特別な存在
人を怖がらなくなったサルだが、猟友会の存在だけは特別らしい。メンバーが着用している赤い帽子やジャンパーを見るやいなや、サルたちは山へと一目散。しばらくは近寄って来ないという。 駆除の手続きは、まず住民から市農林振興課に提出された依頼書により市職員らが被害状況を確認。駆除が必要と判断された場合、猟友会に連絡し、猟友会が捕獲申請書を市に提出。受理されると県が定めた「要領」に基づき駆除が行われる。 「駆除だけで猿害は減らない」。市農林振興室の松本寿次さんはサルによる被害を防ぐため、地域の住民一人ひとりがサル対策に取り組み、生態や防除対策について学ぶことを勧めている。
猿害の軽減に効果が見え始めた地区もある。竜口地区(谷川正行区長)では、サルについての懇談会に17戸全戸が出席。サルの追い払いなどを住民が徹底した結果、「7〜10日に1度姿を見せていたサルの群れも、最近では1か月に1度程度に減った」と谷川区長。サルの行動が活発化する春から秋にかけ、住民らは一層目を光らせる。
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