種は信用できるか
 右の写真のラディシュと、下のを見比べてほしい。何度作っても上のようなのしか出来ない。若いときに割れてしまって、それを修復したりすると、とても食べる気のしない代物になる。
 ところが、思い切ってちゃんとしたところから種を取り寄せて播いたら、下のようにきれいなのができた。たぶん種が悪いのではないかと思うが、これを証明して種代を回収するなんて、まず無理だ。悪い種だったら骨折り損の泣き寝入りになる。
 今はちょっとしたスーパーなど、あちこちで簡単に種が買える。ラディシュは手軽な野菜なので、どこでも手に入る。それがいけないというわけではないが、やはり信用できるところで手に入れたほうがよい。
 昔は菜種やからし菜からはくさいなど、ほとんどの十字花野菜を家で種を取っていた。豆もニンジンやゴボウもそうだ。よく雑種にならなかったものだ。
 先日秋野菜を播こうと思って日野菜の産地を見たら、イタリアとなっていた。この日野菜は、この地方の特産で、九州などでは種がないからこちらから買っていく人もある。
 いつも虫に食われてしまうので、但馬に送って作ってもらったら、独特の色が出なかった。それでこのあたりの古琵琶湖層の地区に適応しているのかと思っていた。
 それをイタリアで栽培するのは、交雑しなくていいからなのだろうか。種も食材と同じように世界中で、交流しているのだろう。
 かつての農家が自家採取してきたのは、種が交雑しないほど固まっていたからなのだろうか。
 出来が悪くても種が悪かったと気付くまで、ずいぶんかかった。