グミの豊作
 今年はグミが豊作だった。グミだけではなく、ユスラウメもスモモも例年よりよくなった。これまでグミの花はつくのに、ほとんど収穫できない年が、ここ数年続いた。
 熟してくる量が少ないと、順番に鳥が食べてしまって、ほとんど食べられないということもある。今年はなぜか鳥が少なかった。群がってくるムクドリも、いつもの年より少ない。
 しかし朝早くからヒヨドリなども大騒ぎしているので、とにかく網をかけてみた。網の外から盗める分は鳥が取ったが、網の中は相当残った。
 グミは完熟しないと、渋味が強く、あまりうまいものではない。しかも完熟して、甘いと感じる時期は短く、ほっておくと落ちてしまう。
 びっくりグミとよんでいる粒が普通のものの倍ほどあるものも、よく実を付けた。
 グミは徒長枝がよく出る。そのほうが勢いがよく、主幹より高く伸びてしまう。だから剪定のときに、それを切り落とすのだが、まっすぐ伸びているので、野菜を支える杭などに利用する。
 その杭から春になると芽が出てきて、簡単に大きめの挿し木をしたように、新しい株が得られる。ただびっくりグミのほうなのか、普通のグミなのかその段階では分らない。翌年になって実がついてから分る。
 せっかく育ったので空きがある畑の縁などに定植する。そんなわけで数えてみると、6本くらいある。大きなものは全部網掛けが難しいので、掛けやすい枝を網で包んでおいた。簡単に量が得られたので、焼酎につけた。色はユスラウメのほうがきれいな赤になるが、味はグミの渋味が溶け込んで美味しい。