玄米食の勧め
 玄米食に人気が出ている。近くの公民館で料理教室を開いている皆さんが、自耕園の作物や環境を気に入ってくれて、時々利用してくれる。そんなときこの公民館の行事があって、それぞれのグループが展示や花や食物を提供したのだが、料理のグループは玄米のおにぎりとけんちん汁を出した。
 作る人達の想い入れがあったのか、すぐ売切れてしまった。想い入れというのは、掲示した文章に表されていて「子供の体質が変わった」「直腸がんを手術せずに直った」「噛んで食べると美味しい」「玄米は芽が出るので命が宿っている」などなど。
 私も玄米との付き合いはずいぶん永い。ただ外食したり家庭が忙しかったりした色々な時期は、玄米を食べようにも手が回らないときもあった。しかし落ち着いた今は、玄米食が当たり前になっている。かまどでご飯を炊いていた50年も昔は、飯ごうで炊いていたので、手間だった。炊き上がったらひっくり返して蒸らすのだが、いつもうまく炊けるとは限らない。今は圧力鍋が主流のようだが、広く食べられているらしく炊飯器のメニューにもある。
 白米は粕というように、栄養を除いてしまっている、糠とかくように、玄米には健康の康が付いている、などとよく人に勧めたものだ。江戸わずらいといわれたように、白米が主食になってからは、けっこう脚気などの原因になった。いったいそれならいつごろから米を精白するようになったのだろう。
 今の商品経済の中では、付加価値をつけ加工し、美化してゆく以上、儲けを考えるとそんなに玄米を勧める商人はいないだろう。しかし食べてみて自分で効果があると思ったら、誰もが求めるのではないだろうか。それにしてもお米屋さんで買ってきた玄米は、高くてあまり美味しくない。
 田舎や親戚からよく米を貰った頃は、精米することも、そのまま玄米で食べることもあった。そんなときの玄米は美味しかった。農薬やカドミュームなど重金属は胚芽の部分に貯まりやすいと思われるが、無農薬の玄米を意識的に購入することが望ましい。そして供給する側にも、同じような意識が生まれている。