お百姓さんの酒屋 ひらおか HOME 忍者の里の地酒 おすすめ地酒 おすすめ焼酎 頑固おやじの有機米


百姓のしらべ事
知っているようで知らない事がいっぱいの私ですのでこれから項目が増えると思います。
杉玉・酒林(さかばやし):11月19日  NO1

実りの秋を迎え、お米の収穫を終えると、いよいよ酒作りの始まりです。そして、その年にできた最初のお酒を頂く日を「初しぼり」と呼んで、お客様に披露したりします。この日より、あおあおとした新しい酒林を 軒に吊るし、「今年も新酒ができましたよ!」とお知らせします。 もともとは杜氏さんや蔵人さんが自分達で作りましたが、後に大和(奈良)の大神(おおみわ)神社(*1)様が、醸造安全祈願祭でご祈祷をし全国の蔵元にお布施みやげとして酒林を配付したことにより、日本中に拡まりました。この酒林には「酒の神様三輪明神 しるし(*2)の杉玉」(*3)というお札がぶらさがっています。 新酒を知らせる酒林の風習は、西欧にもあります。時代は古代ローマまでさかのぼります。酒の神様バッカスを仰ぎ、つたの葉を束ね、ワイナリーや酒場の軒先に飾って、ヌヴェロ(新酒)あり!と宣伝しました。ローマ軍が遠征に行った先でもこの文化は根付き、英国でも酒林のことをbushと呼びます。ポルトガルではfoteと言いました。現在はドイツの一部とオーストリアの居酒屋などに風習として残るだけになってしまいました。 日本でも江戸時代頃から盛んに酒林が吊るされるようになり、もともとは俵型のものが主流でしたが、1800年を過ぎると現在のような丸い玉へと変遷します。それから200年の時を重え、丸い酒林は日本酒のシンボルマークとなりました。

*1 三輪神社、 三輪明神とも呼ばれる
*2 「しるし」とは、看板の意の古語
*3 酒林のことを、杉玉とも呼ぶ
                 

杉玉作りの様より引用
利き酒用語  NO.2
  香り
 特性項目
調和 上立ち香と含み香との調和が良い
上立ち香 鼻、口に含む前に酒から立ち上る香り
含み香 口中香、引き込み香、口に含んで感じる香り
ソフト 穏やか、柔らか
華やか 香りが豊かで、落ち着きのある香り
優雅 上品さ、落ち着きがある香り
個性的 香りに使用酵母の特長が出ていて評価がよい

指摘項目
不調和 上立ち香と含み香の調和が悪い
酸臭 酢酸、酢酸臭、揮発性有機酸の匂い
ジアセチル臭 アセト乳酸から生ずる匂い、乳製品の特徴香
木香様臭 木材の移り香、樽香、青香、アセトアルデヒド臭
酢エチ臭 酢酸エチル、セメダイン様、刺激を伴うエステル臭
濾過臭 紙臭、濾過癖、袋臭
生老香 生酒の劣化した匂い


味の特性項目
ふくらみ 味に膨らみ感を備えている
濃醇 「ふくらみ」より味が濃く感じるが上品である
軽快 軽やかで心地よい味
きれい 雑味がなく、整っている味
なめらか まるい、角がない、調和が良い味
後味良 あとくち、しり、残味が良い
しまり 味のまとまりと切れがよい、「味だれ」の反対

味の指摘項目
うすい 味が薄く物足りない
くどい 「濃醇」の過ぎた状態、味がくどく上品さに欠ける
雑味 「軽快」「きれい」「なめらか」「後味良」の反対、味が多すぎて上品さに欠ける
酸浮く 酸味が離れる
渋味 渋味が残る
苦味 苦味が残る
味だれ 味がだれてしまりが不足
中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ) NO.3
 毎年12ないしは13回の満月があるのに、なぜか特別扱いされる中秋の名月(あるいは、仲秋の名月)。
「八月十五日」と書いて「なかあき」と読む名字の方がいらっしゃるそうですが「なかあき=中秋」のことで昔から八月十五日の月を「中秋の名月」と呼んできました。

名月  一年には「春夏秋冬」の四季がありますが、旧暦では3月毎に季節が変わり、「一・二・三月」は春、「四・五・六月」は夏・・。そしてそれぞれの季節に属する月には「初・中(仲)・晩」の文字をつけて季節をさらに細分するのに使いました。たとえば旧暦四月は「初夏」となります。
 この方式に当てはめると、「八月」は秋の真ん中で「中秋」。旧暦は太陰暦ですから日付はそのとき月齢によく対応しますから、月の半ばである15日はだいたいにおいて満月になります。
 古くから日本には八月十五日に秋の澄んだ空に昇る満月を「中秋の名月」と呼んで鑑賞する風習がありました。
お供えの団子 秋は収穫の時期でもありましたのでその年の収穫物を月に備える風習が各地に残っており、「芋名月」などとも呼ばれます。「芋」は、「いもにーちゃん」のような使われ方で「冴えない」というような使い方がありますので「冴えない月?」みたいに思う人もいるようですが、違いますよ!。
 現在、月見団子を備えるのも、芋を備えた風習の変形ですね(団子も芋も「丸い」ということ)。

中秋の名月日付比較
(表中日付は新暦)
西暦年 旧暦8/15 曜日 満月
2000 09/12 火曜 09/14 +2
2001 10/01 月曜 10/02 +1
2002 09/21 土曜 09/21 0
2003 09/11 木曜 09/11 0
2004 09/28 火曜 09/28 0
2005 09/18 日曜 09/18 0
2006 10/06 金曜 10/07 +1
2007 09/25 火曜 09/27 +2
2008 09/14 日曜 09/15 +1
2009 10/03 土曜 10/04 +1
 さて、ここまでの説明してきましたが「八月十五日」の中秋の名月の月齢を調べてみると、実は満月でないことが多いのです。右の表は2000-2009年までの旧暦八月十五日の日付と実際の満月の日付を比較したものです。
どうしてこんなに違うかですが、
  1. 旧暦1日(ついたち)の決め方
    旧暦の1日は「朔(新月)となる瞬間を含んだ日」ですので、
    0時0分に朔となる日も、23時59分になる日も同じく「一日」になります。
    これを考慮すると旧暦15日の月齢は、最小13.0,最大15.0,平均14.0となります。
  2. 朔から望までの日数(平均)
    朔(新月)から望(満月)までの平均日数は、約 14.76日で、これが本当の満月の月齢の平均となります。これは 1の旧暦15日の月齢平均より0.76日分だけ長い値です。このため、実際の満月は旧暦15日より遅れる傾向があります。
  3. 朔と望までの実際の日数
    月の軌道が円でないなどの理由から、朔から望までの日数は約13.8〜15.8日の間で変化します。
上記1〜3の理由が絡み合って、旧暦15日と満月の日付が一致しないことがあります(というか、一致しないことの方が多い)。長い目で見れば1,2の理由から実際の満月は旧暦15日に較べて約0.76日後にずれるはずですが、表に示した10年間の日付のずれを平均すると「+0.8日」となり、理論通りずれていることが確認できます。

 この文章を書いている2000年の旧暦八月十五日と満月の日付を比べてみると 2日ずれており、「どっちですか?」と聞かれたことがきっかけで、この話を書き始めたのですが、だいたい半分は本当の満月の日付と旧暦八月十五日の日付が異なります。

さんより参照
干支(えと) NO4
 暦注の多くは陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)という古代中国の思想や易から発生し、月日に当てられるようになったもので、その大きな柱となるものが干支です。
 干支(えと)は、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)の組み合わせです。
 十干はもともと、甲、乙、丙、丁…と、日を順に10日のまとまりで数えるための呼び名(符号)でした。10日ごとに、「一旬(いちじゅん)」と呼び、3つの旬(上旬、中旬、下旬)で一ヶ月になるため、広く使われていました。
 古代中国では、万物はすべて「陰」と「陽」の2つの要素に分けられるとする「陰陽説(いんようせつ)」と、すべて「木」、「火」、「土」、「金」、「水」の5つの要素からなるとする「五行説(ごぎょうせつ)」という思想がありました。これらを組み合わせて「陰陽五行説」と言い、やがて陰陽五行説を「十干」に当てはめるようになりました。また、日本では、この「陰」と「陽」を「兄(え)」と「弟(と)」に見たて、「兄弟(えと)」と呼ぶようになりました。
 一方、十二支は、もともと12ヶ月の順を表わす呼び名でしたが、やがてこれらに12種の動物を当てはめるようになったものです。
<十干>
十干 音読み 五行 陰陽 五行陰陽 訓読み
こう 陽(兄) 木の兄 きのえ
おつ 陰(弟) 木の弟 きのと
へい 陽(兄) 火の兄 ひのえ
てい 陰(弟) 火の弟 ひのと
陽(兄) 土の兄 つちのえ
陰(弟) 土の弟 つちのと
こう 陽(兄) 金の兄 かのえ
しん 陰(弟) 金の弟 かのと
じん 陽(兄) 水の兄 みずのえ
陰(弟) 水の弟 みずのと

<十二支>
十二支 音読み 訓読み 五行
ちゅう うし
いん とら
ぼう
しん たつ
うま
ひつじ
しん さる
ゆう とり
じゅつ いぬ
がい

 干支の組み合わせ(十干と十二支の組み合わせ)は60通りあり、六十干支と呼びます。これが一巡すると還暦となります。例えば、「甲」と「子」を組み合わせた「甲子」は、「こうし」、「かっし」または「きのえね」と読みます。

 干支は、年、月、日、時間、方位などを示すためにも使われ、それらの吉凶を表わすようにもなりました。
例えば、方位は北から東回り(時計回り)に子、丑、寅…と十二等分します。すると北東、東南、南西、西北が表現できないため、中国では易の八卦(はっけ)に基づいた坎、艮、震、巽、離、坤、兌、乾を用いて表現していました。日本では、北東(艮)は十二方位の丑と寅の中間なので丑寅(うしとら)、同じように、東南(巽)は辰巳(たつみ)、南西(坤)は未申(ひつじさる)、西北(乾)は戌亥(いぬい)とも呼んでいました。
方位
八掛 音読み 訓読み 方位 十二支
かん  
ごん うしとら 北東  
しん  
そん たつみ 東南  
 
こん ひつじさる 南西  
  西
けん いぬい 西北  

 そして、陰陽家は方位神(ほういじん)と呼ばれる方位の吉凶を司る神を祭り、例えば、今年はこの方向に嫁にいってはいけないなどと、暦上に記していました。方位神は現在でも一部の暦や占いなどで使用されています