『蔵の窓』

厚い土壁の中
ひざを抱え、座っている
小さな窓の小さな空を見上げて
時折、箱に積めた何かをそっと送り出す
大きな大きな空の下に

蔵の闇は
胎のぬくみ
蔵の空は
いつか見たアヲ

耳のうしろとひげの先がちりちりするの







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