おとなの遠足
まいまいクラブ関西オフ会
2012.6.30〜7.1
>゜))))彡
「オフ会、一泊ってどうですか。」
まいまいクラブ関西オフ会の何度目かの折に、そんな話が出た。
メンバーの中のお一人にペンションに縁の方もあるということで、
そちらを宿に話が進んだ。わたしは泊まりはかなりできるように
なったがまだ難しいので不参加かと思っていたら、
我が家の釣り人が興味を示した。
なぜって、場所が奥琵琶湖だったから。
釣り人が釣り人と呼ばれる理由は釣りが好きだから。
なんだかんだで30年ほど一緒にいるが、お出掛けはほとんど
湖・野池・川、そして釣具屋だった。
お弁当を作ってどこでもガンガン出かけたおかげで、
わたしは大変逞しくなった。
あるとき、吉野川で釣り人の会社の皆さんと遊んでいたら、
デート中らしきカップルがやってきて、川原の仮設トイレを
つかおうとした、が、かわいい彼女が、
「いやや、こんなとこで、ようしやん。。。」
あんなに立派な囲いがあるのになぁと思いつつ、
わたしはその時大きなニゴイを釣って
川からひきずりあげて大騒ぎしていた。。。
あははははは、大胆不敵?
ひまわりの北を向きたるへそまがり
今は鮎の友釣りとフライフィッシングも楽しんでいるが、
子供の頃からバスを釣っていた釣り人、琵琶湖に行きたくないわけがなく、
かなり行く気になっていた、が、残念ながら仕事が入ってしまった。
ということはわたしもアカンかなぁと思ったら、「行けばいい」という。
子らも「ええやんか、がんばりや」というので、何を頑張るのか
よくわからなかったが急遽お世話役の煙味堂氏のお手を煩わせて
参加表明したのが二日前。
ただし、あれこれを片付けなければならなかったので、
到着は集合時刻から遅れること六時間後になった。
誰も彼も本読む車中梅雨曇
佐保川を過ぎてあがりし夏の雨
ぽつぽつと猫背の鷺の佇つ青田
耕運機ゆるゆる進む梅雨晴間
切り離す後ろ四輌梅雨の雷
貨車数えトンネル数え夏の旅
湖に寄り添ふ線路立葵
余呉駅に降りる釣り人栗の花
冷房車レイちゃんちまであといくつ
をさな子に手を振る車掌灯涼し
雨のことそつと教えし夏つばめ
京都から1280円の切符をJR湖西線の永原駅
の切符箱に入れて駅を出ると、すでにあちこち廻り終えたメンバーの車が。
この日はそのままペンション『Rudder(ラダー)』へ。
Rudder全景
冬に活躍の薪暖炉用の薪が並ぶテラス
道路と並木の向うは琵琶湖。
他のお客様も。(翌日の昼食のお問い合わせにいらした。)
夕食まで、付近を各自散策。
鳥の声を聞いたり、猿が出現して皆がカメラを向けたり、
写真部とケータイ写真俳句の両方に在籍のメンバーが
多いので、皆、良き被写体は見逃さない。
フィッシングガイドもされていているオーナーの
釣果の琵琶鱒をはじめ何品もの「滋賀のもの・琵琶湖のもの」が
夕食のテーブルを飾った。
二人掛けの黄色のベンチ夏の夕
日焼子の手足はみ出す雨合羽
琵琶鱒のほどよき甘み夏夕べ
あふみのうみあふるるほどの半夏雨
三才と七十才の夕端居
夕方から雨が降ったりやんだりしていたが、夜は蛍を見に行ったり。
その後ちょっとおしゃべりをして(ちょっと一杯いただいて?)、
翌日の朝日ために(?)早寝をした。
まなうらに蛍火ひとつ納めけり
夏の夜やわけ知り顔のピーナッツ
近江の藪蚊一撃のたなごころ
>゜))))彡 >゜))))彡
翌朝も雨。
琵琶湖の朝日は残念ながら観ることも撮ることもできなかったが、
Rudderの周囲は散策にうってつけで、カメラをさげてうろうろキョロキョロ。
ここ以外でもいたるところで見たポンプ。これは
引退している感じだったが、現役のものも多かった。
このあたりは豊富な地下水があり、Rudderも地下水を利用しているとか。
朝食の後、本日の目的地である『山門(やまかど)湿原』へ。
Rudderオーナーの父でわたしたちの句友湖風子氏が山門のガイドを
されており、色々と案内していただくことになっていたが、
なかなかの雨で湿原へ入ることはできず、入り口の
ビオトープを見学することに。
湿原に異物(種子など)を持ち込まないように靴底を洗う。
(藤吉氏撮影)
ヒツジグサは未の刻(14時頃)にはまだ遠いのでこれだけ。
雨のおかげでモリアオガエルが森の楽舎に遊びに来た。
たまたまいらしていた滋賀県の『山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会』の
会員で、佛教大学職員の津原重久氏にもスライドを見せていただいたり
おはなしをうかがうことが出来、ビオトープではモウセンゴケの花やイモリとの
出会いもあり、(もちろんもっともっとたくさんの生命と出会いました)
足元が悪いため行けなかった湿原に、今度は長靴持参で行かなくてはと
ひそかに思ったことだった。
津原氏のHP
モウセンゴケ↑その花↓
(藤吉氏撮影)
集合写真の左下の桟にモリアオガエル氏も参加(湖風子氏撮影)
(藤吉氏撮影)
外灯のひとつ残りし夏暁かな
昔井戸ありしあたりの蛇苺
毛衣の殻脱ぐ泰山木の花
青梅雨や葉一枚食み育つ蝶
花より空へ夏蝶の大曲線
うつかりと出でしモリアオガエルかな
十薬の白つらつらと杣の道
蓮の葉の息吐く夏の夜明けかな
杣山の珊瑚の如き毒茸
山門をあとにして、昼食まで少々時間があるということで、
湖風子氏のご配慮で『簗』を観ることが出来た。
今は水が少なく、本来の簗の姿とは少々違うらしいが、
遡上してきた魚が元気に跳ねる姿や小さな鮎が群れて
泳ぐ様子も観ることが出来た。
鮎の子の翻りつつのぼり来ぬ
息ついで息ついで跳ぶ簗の魚
かたつむり明日もここにゐるつもり
帰り道、もうひとつ寄り道をしたのが『琵琶湖就航の歌記念館』。
「♪われはうみのこさすらいの〜」とはじまるこの歌は
歌詞が当初のものとは変わっている箇所がいくつかある。
「それはどうしてでしょうか?」
とクイズ形式のパネルを順に見て、回答は?と注目した
最後のパネルには「みなさまはどう思われますか?」と。
んー、謎は謎のままなのねと記念館を出た。
絵入り蝋燭の販売や蓄音機の展示が。
記念館前では気の早い未草が咲いていた。
ひつじ草湖国の雨を集めをり
Radderで昼食をいただくことになっていたので急いで戻る車中、
わたしの膝あたりに何かいる・・・と思ったら、尺取虫。
どこからついてきたのやら、わたしの丈を下から丹念に測ってくれていた。
ひとまず見えるところに確保して車が止まるまで待機してもらい
草木のあるところで放した。
もしも山門からついてきたのなら、
あそこは動植物持ち込み持ち出し厳禁だから
バレたら叱られてしまうなぁ。
昼食のオムライス
昼食後Radder二階で句会。
オーナーのご好意でディスプレイを貸していただいたので
写真も披露してケータイ写真俳句の吟行句会らしい句会になった。
わたしの参加していない初日のあれこれも写真や句で拝見することができた。
うーむー、やはり遅刻はつまらないなぁ。
(煙味堂氏撮影)
尺取にしばし預くる句帖かな
夏座敷箱ごと廻すあずきバー
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梅雨寒のクロスシートの四人かな
全て終え、帰路も雨。
さてさて、この雨誰のせい?
「佳音さんが来るまで降ってなかったよー。」
という話が出たが、わたしは晴れ女。んーんーんー、
んーんーんーんーんーんーんー、っと
近鉄線の大和八木まで帰ってきて思い出した、
娘に勧められ、ごろごろっと曳いていった鞄、
これは前回初めて使った折も大雨にあっているんだ・・・。
(詳細はブログ『かのんくら=縁側=』の八月末ごろの日記にて。
娘がバレリーナの吉田都氏のレッスンのため一緒に大阪に
一泊で行った日が大雨。その日梅田は洪水のようになった)
この鞄って雨鞄?使えないかな?
こまったなぁ。
そうだ、
『雨乞い』したいかた、呼んでください。
ごろごろっと参ります、雨が降ってこその
「おもしろ楽しいこと」を拾いに♪
小さき円描き乙鳥巣立ちけり
2012.7
写真・文・句
佳音