(第一回)うふふの会が行く!句い倒れツアー!

ラスカルめいてゐる天王寺

 

 

2007.6.30 (土曜日)

 

 

 

>゜))))彡

 

 

 

月例のインターネットの句会とSNSにて、日々わいわい

おしゃべりをしている句友五人で会うことになった。

遠くはアラスカ、ちょっと遠くは山梨県、

大阪近辺からもうひとり当日飛び入り参加者もあり、

天王寺には6人の初対面さんが集まった。

 

なんといっても初対面、毎日しゃべっていても初対面。

顔のわからないお互いをどうして認識しようか、オフ会?

句会もする?(当然)何処で句会をする?

どこか吟行する?とおろおろしていたら、

『なにわのおかん』こと今回最年少の撫子さんが

まことてきぱきと、

 

 

【待合せ場所】
JR天王寺駅・中央改札正面の「みどりの窓口・TIS」の前

【目じるし(笑)】
TISでカリブ海のパンフレット(ジョニー・デップのファイル含む)を

入手し、小粋に抱きしめていること(笑)

【待合せ時間】
午前10時40〜50分。

ランチを駅の近くで11時に予約しようと思います。

間に合うように、お越しやす。

 

 

 

というような素晴らしいアイデアを出して、とんとん拍子に話は進んだ。

 

 

 

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当日、伊賀は曇り空。

雨傘だろうか、日傘だろうか、

降らなければいいのだけれど・・・と

思いつつも晴雨兼用傘を持って出発。

駅に立つ人もさまざまのいでたち。

 

 

水無月のかぎりベンチの忘れ傘  佳音

 

 

10時20分、わたしが天王寺の改札を抜けた時にはカリブ海の

パンフレットを抱いている人はおらず、しかし、正はんさんはすでに

到着していることを知っていたので、21世紀の秘密兵器携帯電話で

彼を見つけ出し、「はじめまして」の後二人で待った。

わたしの掲げて(?)いたジョニーが効いたのか、遠い人、

ほどほどの人、近いのに一番遅刻した人(もきゅ♪)と

色々あったが店の予約時刻には全員集合。

挨拶もそこそこに天王寺ステーションビル地下二階へ。

 

 

 

 

 

 

なんといっても句会をしなくてはならないので、と、決めた店は個室。

靴を脱いで、掘りごたつ形式のテーブルの下、足は自由に。

 

 

 

 

 

ひとまずはビールで乾杯し、昼食になる食べ物を注文したら、さあ、句会、句会。

本日の第一句会は持ち寄りの当季雑詠三句で、インターネットの句会は

何十回も経験していても体が参加するのは初めてという参加者もあり、

ほぼ標準的かと思われる、『みんなで清記、ぐるぐる清記を回して選句』方式で、

はじめてさんの「こうかな」「どうかな」にうふふと応えつつ進行。

披講はわたしがさせていただいた。

 

 

<<りん>>

付箋紙のひらひら青葉しぐれかな

まけてんかあきまへんてふ五月晴
苗札の同じはう向く夏の星

<<正はん>>
初蝉やみんみんみんの透けてゆき
ぶかぶかの黄色の帽子梅雨曇
紫陽花のかくす猛犬注意かな

<<佳音>>
青山の風の団扇を渡しけり
蛍火の染む掌を洗ひけり
羅や神戸生まれのなには好き

<<はづき>>

夏草の引き込み線に日本海
空中で虫くち渡し夏燕
トンネル海トンネル山ねむの花

<<撫子>>

ピクルスのはみ出してゐる夏の海
追ひかけて捕らまへて洗ひ髪を干す
ハンカチと小さき靴下シーソーす

<<米男。>>

紫陽花や善男善女めいてみる
雷鳴や通天閣の背伸して
蝦夷菊の沖より友の帰り来て

<<ラスカル>>
アラスカに続く海原雲の峰
永遠に消へない虹を分かち合ふ
大阪の暑さ句会の熱さかな

 

 

本日の参加者は6名、

1人3句なのに21句あるのは、

 

「『おなじみ』のビッグな句友が欠席投句して来るって。」

 

というわけで、俳句を詠むアライグマことラスカルさん

(わたしはラスカルちゃんさまと呼ばせていただいている。)が

メール投句の飛び入り参加をいただき、披講時にも

 

「あー、ラスカル句だったー!!!」

「やられた!!ラスカルちゃんさまっ句ふたつもいただいたー!」

 

と、ますます盛り上がった句会だった。

句会初体験の二人も楽しんでくれただろうか、句を見つめて、

句に触れ合って、言葉を交し合う、これが句会。

 

 

 

 

  モキュ♪

 

 

 

 

13時半、今日は吟行もするつもりなので、三間堂を出て天王寺公園へ。

六月も末日で、公園に入るなり大きな笹に迎えられた。

向こうに通天閣が見え、公園の中は花がいっぱい。

鳩がいっぱい。

 

 

 

 

 

 後足のキュートなカバさん

 

 

俳人らしく根掘り葉掘り眺め尽くして天王寺動物園に入れば

ここにも七夕の大きな笹。短冊とペンが置いてあり、自由に

願いを記すことができるようになっていた。

ひらがな、カタカナ、漢字おまけに英語もあるところが天王寺。

動物園を走りまわる小さな人は話す言葉は違っていても

皆同じ笑顔をしている。

 

 

おそらくは木蓮の木も茂る頃  佳音

 

象と虹見たき女に降る日照雨   〃

 

七夕飾りパティシエになりたき子 〃

 

 

 

 

 

 

天王寺動物園は以前は動物の排泄物の匂いといったイメージだったが、

改装されて、きれいな風の吹く場所に変わっていた。

ちょうど動物達の食事の時間だったようで、あちこちで

飼育員さんにもお会いすることができた。

 

 

 

  

おやつのバナナにかぶりつくカバにかぶりつきの子

 

 

 何の豆? 

 

 

 

 少年のような瞳のりんさん

 

べっぴんのライオン 

 

 べっぴんの撫子さんと雄ライオンのツーショット

 

 

 

 

 

象も麒麟も待つてゐる白雨かな  佳音

 

水馬磨く動物園の池       佳音

 

後足で蚋はらひ食む山羊の昼   佳音

 

今覚めてまたも昼寝のコアラかな 佳音

 

 

 

 

「おまっ!」さすが大阪

 

 

 

蝙蝠や大道芸の種いくつ     佳音

 

夏帽子点呼にそつぽ向いてをり  佳音

 

 

 

動物園は自由行動。(とはいえ同じような場所を一緒に見たが)

15時頃に再び集合して、米男。さんの案内で新世界界隈へ。

今回六人中二人だけ男性の米男。さんと正はんさんは、

どうやら昨夜もこのあたりで『作戦会議』をしていた様子。

りんさん、なでしこさん、はづきさん、佳音は普段は

めったに行かない場所なので、しっかりウロウロキョロキョロ。

ひとまず通天閣下まで歩き、通天閣を見上げ、

王将の碑を眺め、また歩いてジャンジャン横丁へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャンジャン横丁はおもしろい。

物価も面白ければ売っているものも楽しい。

ビールも串カツもイカ焼きも魅力的だがガマンガマン。

歩け歩けと大路小路を抜け、たくさん歩いたねえと話しながら

本日二回目の句会の会場へ。

 

 

 

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ところが、予約の時刻に少々早く、句を推敲することも必要かと

(忘れそうだが、『吟行』なので)喫茶店に入り、強風の冷房の中

ブルブルと句を推敲した。(ことにしておこう)

 

 

 

 

 

 

皆が立派に冷え切ったので店を出て、今度こそ予約の場所へ。

さあ、句会、の前に乾杯。おつかれさまでした、よく歩いたね。

 

ぽんぽんぽんと食べるものを注文しつつさらさらさらと短冊に句を

書く。正はんさんも撫子さんも二度目ともなると慣れたもの。

一回目の句会で投句をいただいたラスカルさんが今回も投句を

いただいたので、『ラスカル地雷』と呼ぼう(ごめんなさい

ラスカルちゃんさま、愛です、みんなの。)などと笑いあいつつ

句会開始。今回は披講は各自ですることに。

 

 

<<りん>>

夕涼や麒麟の耳の水平に
窓越しの将棋を見遣る夏の果
縞馬の縞盛り上ぐる梅雨曇


<<正はん>>

七夕やわらわらと鳩けつとばし
梅雨空や塀にとけゆく犀の群
梅天へモザイク詰める麒麟かな

<<佳音>>

梅雨闇や喉元赤きこふのとり
夏集く通天閣の脚の下
蜜豆食ぶ飛田新地をすりぬけて


<<はづき>>

ハイエナの舌出してゐるかき氷
アムール虎ひとりぼつちやねむの花
梅雨曇きりんは背へ耳を向け


<<撫子>>

夏雲やなんやらの豆ぶらさがる
どてつぱらふくふく獅子の昼寝かな
ハンカチや散髪七百円の路地

<<米男。>>

緑陰を象の形のベビーカー
暑き日のコアラゆうるり草を食む
ペンギンに見つめられつつ食ぶ氷菓  


<<ラスカル>>

夕焼や檻の中なるライオンも  (りん)
下闇を抜けて艶めく烏猫
縞馬の背中の見ゆる昼寝覚

 

 

 

 

食べたり飲んだり書いたり書いたり喋ったり、忙しい二時間の後、

明日に予定有りのはづきさんが先に帰宅。

またきっと句会をしましょうねと約束。

残った五人は「もう少し」と店を変えお茶をいただくことに。

もう句会はしないので、ゆっくりといろいろな話を・・・と思うのだが

そこは伊賀人のわたしと小さな人の「おかん」の撫子さんの

時間制限もありで、ほどほどに大騒ぎ、のち解散。

 

 

 

 

 

今日は隣に若くてべっぴんさんの撫子さんがいたので、

佳音さんはほんまはおばちゃんやけど、ついおっちゃん化。

 

「なあ、なでしこちゃん、こんなとこ来たこと無いやろ?

おっちゃんと来てよかったやろ、ええ社会勉強やで。」

 

「うん、おっちゃん、おおきにぃ♪」

 

などと、のりのいい彼女と遊びつつ、あちこち覗いたり。

次はあの店で、兼題は『ビーフシチュー』で等々、りんさんも

巻き込んで、早くも次回の相談も持ち上がり、

今回に「第一回」とつけた撫子ちゃんの先見性に・・・・

おっちゃん、感服や。

 

また、皆で行こな、

てんのじ。

 

 

 

 

 

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ん?

ゔあ゙――――!?

そうや、天王寺動物園の爬虫類館見忘れた。

しもたー・・・・。

 

 

2007.6.30

 

 

 

 

写真/文/:坂石佳音

 

 

メールはここにゃ

 

 

 

<<<  追 記  >>>

 

 

前略 ラスカルちゃんさま

 

今回、どなたかビッグな方が欠席投句をいただくとうかがい、

「動物系の方かなー」と思っておりましたら、

きっぱりラスカルちゃんさまでした。(^.^)

句会の折のことは上記の通りで、

動物園を歩いていても新世界を歩いていても

最後の喫茶店の瓶のプリンまで「ラスカルめいて」いて、

ずっと一日中、皆と一緒にラスカルちゃんさまがゐらしたような

心地です。  ありがとうございました。

 

ひとまずは、今回のお土産です。

きゃー、おこらんといてー。・・・(( ( (ヽ(;^^)/

 

 

 

 

 

 

ラスカル句とつてすつぱい心太  かのん

 

どのひともラスカルめいてゐる薄暑  かのん

 

 

いつかきっと遊びに行きますね、大好物のシュークリーム持って♪

ではまた♪♪♪

 

 

草々