二〇〇六年 十月

 

まいまいクラブ吟行

のち

京都町家ギャラリー句会

 

 

 

 

2006.10.28,29

 

 

 

 

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風邪を引いた。

毎年、旧暦の八月は月を詠むので、今年もそのつもり。

そして、十月は気候もよいのでお出かけの予定も山盛り。

ふふふふふふ、とスケジュール帳をにらんで張り切ったのが

いけなかったのか、九月末よりややモヤモヤしはじめ、

十月に入ったとたんに微妙に発熱。

 

ああ、くやしい、結社句会、結社の関西大会、

伊賀上野の観月薪能・・・・

 

ひいてしまったものは仕方が無いので、養生養生と

おとなしくして、月半ばにはちょっとましになったとたん、

申し込んでしまった、まいまいクラブの静岡吟行。

 

予定を組む段階ではさすがに出かけすぎかしら?と参加を考えたり、

でも前回も東京ということでちょっと遠いかなぁと参加できずだったので、

前半がぶっ飛んでしまった分こちらに勢いがついて、

まずは日帰りで浜名湖。

そして翌日はこれまた日帰りの京都。

ちなみに我が家は三重県伊賀市です、はい。

 

 

 

 

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まいまいクラブ

『まいまいクラブは毎日新聞の愛読者双方向コミュニティサイトです』

 

『まいまいクラブ』のTOPにそうあります。

発信者も喋る、読者も喋る、互いに聞く、まわりも聞き喋る井戸端。

その中に「ケータイ写真俳句」というプログラムがあり、

携帯電話のカメラ機能を使って撮った写真に句を添え、(句に写真を添え?)

ケータイメールを送ると、一週間に一度、選者の大高翔氏が

講評つきで選していただくというもので、オフ会でもあり、

句会でもある吟行は今回が二回目。

前回の様子を拝見すると、携帯電話をかざして撮って撮って詠む。

うん、楽しそう♪

 

 

 

 

 

 

もちろん特急や新幹線を使えば早い。

しかし、在来線で行っても一時間も二時間も変わるわけでなし、

何よりも主婦の身にはもったいないが先に立つ。

そんなこんなで、名古屋まで私鉄で、のちJRの在来線を利用。

ちょっと寒いけれど、いいお天気。

 

 

 

 

 

腕組みの保線夫の影きりん草

 

始発より終点までの秋陽かな

 

 

 

浜松に到着、さて、どこが集合地だったか・・・と思ったら

毎日新聞の旗を持ったお兄さん発見。受付の場所を教えていただき、

すぐに行けばいいのにその場で背後から「失礼!」

もちろんまだ受付も済ませていないけれど、ちょっとご挨拶。

 

 

 

 

 

秋興やもう投句していいですか

 

 

 

受付を済ませ待機していたバスの乗り込めば選者の大高翔氏の笑顔。

まいまいクラブの担当諸氏や本日のスタッフの皆様も笑顔笑顔。

いつもオフ会で思うことだが、はじめてお会いした気がしないのです、どの方も。

席はどこでもいいということで、とりあえず一番うしろに着席、

いただいた資料を見ていたら、おとなりに鎌倉からいらした方が

「やあ。」

とご着席。彼が最後だったようで、二十人弱の参加者を乗せ、

バスはすぐに浜名湖に向けて出発しました。

車中自己紹介ということでマイクがまわってきたので、

今日は三重県から来たこと、むこうは寒かったので

帽子を忘れたことなど話したら、お隣さんが

「帽子買ってやるよ、ペアでさ。」と。

まあ、嬉しい、でも、ほんまに?

 

 

 

  

 

 

 

秋暑し松百態の東海道

 

 

 

浜松は繊維や精密機器のそして楽器生産の町として有名です。

車窓からはそんな看板もあちこちに。

 

 

川いくつ越えて浜名の秋の湖

 

 

浜名湖に着くとお弁当とお茶を持ってそれぞれ湖畔を吟行。

わたしは、なんと本当に帽子を買いただけるということなのでお店探し。

オフシーズンの湖畔、お土産屋さんの店の奥から麦藁帽子が登場。

「ホチキスを貸していただけませんか?」と早速改造開始。

つばを片方はねあげてリボンも結びかえて。

さて、ペアの相方は?彼も大改造中。

あごで結ぶリボンをてっぺんで結んでいる。

そして、二人、足取り軽く皆さんのところに戻りましたとさ。

 

 

 

 

 

 

おだやかな秋真昼、湖岸は静かに釣り竿を振り出す人、

(砂地なのでキスが釣れるとのこと。)

船に乗り込み沖に出ている人、(蛸を釣った方に出会ったり。)

砂浜で遊ぶ子供たち。

いただいたお弁当は浜名湖ですのでもちろん鰻。

おいしかったー♪

 

 

秋晴やぽんと一本鰻食ぶ

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

春の海のどこからともなく漕いでくる   種田山頭火

 

 

 

 

 

 

投句はもちろん携帯電話から。

写真を撮って、句を詠んで、定められたアドレスに送信。

一人二句を送ったら、また皆でバスに乗って句会場へ。

しばし移動の後、バスは大通りで停車。

会場はもうすぐです。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

選者の大高翔氏は先に会場入りして選句作業中。

参加者は飲み物とおやつをいただきながら

毎日新聞社の写真部の方による写真の撮り方講座を聴講。

そして、写真と句をスクリーンに投影しての全句披講ののち

大高翔選の金・銀・銅、各賞の発表。

 

 

 

 

 

 

和やかにおしゃべり、記念撮影も済ませた頃、外はしずかな夕暮れ。

またバスに乗り浜松の駅へ、

「さよなら、また会いましょうね」と皆さまと別れ、

カタタンカタタンと伊賀に帰ったのでした。

 

 

これが二〇〇六年十月最終週の週末一日目のこと。

 

 

 

 

 

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 (写真は同日カメラで撮影の写真をキョロキョロ日記用に再編集)

 

 

当日の様子はこちらにも。

 

『まいまいクラブケータイ写真俳句 静岡吟行』

 

 

 

 

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次の日の句会は夕刻なので、ゆっくり出発。

それでも約束の時刻よりずいぶん早く京都に着き、

まずは京都文化博物館と美術館「えき」KYOTOへ。

京都駅はクリスマスの準備の最中でした。

大きなツリーもまだ準備中。

 

 

  

 

 

 

秋澄むや八の字髭の兵馬

 

 

 

 

 

 

JR花園の駅に降り立ったのは日が西に傾く頃。

目的地は妙心寺近くの「町家ギャラリー妙芸」

 

 

 

 

 

 

こちらで句友の作品の個展があり、一緒に句会と宴も。

作品を拝見しつつ句会へ。

 

 

をとこ座し秋の上座の定まれり

 

 

句は前もって投句してあったので、それらを互選、

ひとつひとつにああだこうだと意見を交換しあい疑問点を教えていただく

ゆっくりと、ちょっと急いで、でもゆったりとできる句会の楽しさ。

 

 

 

 

 

そして宴へ。

 

 

 

 

 

おいしい料理、たくさんのお酒、山椒のすりこ木をマイクに歌ったり喋ったり。

作品と作者と友人と、そしてギャラリーになっている古い古い京の町家の

コラボレーション。

できあがるのは形の見えない、でも確実にある、あたたかなもの。

 

 

 

 

 

 

秋興やすりこ木のみなワイヤレス

 

秋乾き歌へども歌へども

 

 

 

 

 

 

 

遠いところの人から帰らねばなりません。

女四人でギャラリーを出て、とことこ歩けば空にはもうすこしで真半分の月。

 

 

妙心寺門前月を見て別る

 

 

満たされたおなかと心をかかえ、半月と一緒に帰る夜。

これが二〇〇六年十月最終週の週末二日目のこと。

 

 

 

 

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とんとんとんと階段のぼり、

ただいま、と日常へ。

 

 

冬隣靴のかかとに何処の土

 

 

きれいに拭って、

さあ、次はどこへ行こうか、私の靴。

 

 

 

 

 

 

写真/文/句:坂石佳音

 

 

 

 

メールはここにゃ