花の雨
長谷寺 (初瀬街道)
2006.4.11
<青山>
菫みつけた。
雨なので、嬉しくて、傘をささずに最寄り駅まで歩く。
あたたかな雨。
ひよどりたちは花が好き。
でもお行儀が悪いのでこぼします。
伊賀青山、大村神社の鯰にも、ご神木にも雨。
磴をおりつつふりむけば落ち椿、落ち椿。
<長谷寺>
電車に揺られ着いたのは、花の駅。
いざ、花のみ寺、長谷寺へ。
こちらも雨。
雨なので、参道には人影は少なく、
雨なのに花は多し。
白木蓮、桜、黄色の山茱萸、
どちらを向いても、花・花・花
花の寺
階を上る。
聞こえてくるのは雨の音、風の音。
一斉に咲いたさまざまな桜、その間を雨を受けながらゆらゆらと歩く幸せ。
しあわせ。
五重塔も雨の中。
そここから花が声をかけてきます、
わたしを見て、と。
木の間に見つけたジゴクノカマノフタとオドリコソウ。
あちらからもこちらからも
花の声、花の雨
雲のようなのは白木蓮
お池の亀は今日はお休み?
水面には花、地にも花
笑顔のほか、
今は知らない
草餅と塩漬けの桜を買い、ようやく傘を開く。
このまま、どこまで行こうか
どこまでも行こうか。
また、花に会いに来よう。
やわらかな雨の日に。
写真/文/句:坂石佳音