かのんのキョロキョロ日記

Artist in Residence at IGA2004

その四

 

2004.8.23

 

 

 

                Artist in Residence at IGA2004 資料
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いよいよ彫刻教室としては最終週です。しかしまだまだイベントは続き、

自由参加の制作(有料、300円〜)は月末まで毎日開催です。

でもみんなで何かを作る作業は今日が最後になります。

会場に入れば作家の皆さんの作品も佳境。

 

 

井川彩子氏『増えていく』

 

   Wali Wawes氏 『FIRE TREES』

 

 外磯秀紹氏『ろ』 

 

 

   土塊の産声を待つ夜なべの灯   佳音

 

 

もちろん、土だけではなく、石の雲はぷかぷかしているし、「どうやって

ひねったの?」と子供が聞いた木のねじねじもあるし、この金属のマルは何?
・・・だんだん完成の姿の見えてくる会場です。

 

彫刻教室「土」コース、今週は楽焼。

ワーリー先生作の器に自由に色をつけて、即焼きます。

色は「白」「赤(オレンジ色)」「ルビー」ということですが、どう見ても

ルビーレッドに見えない液体。

 

   

   

 

描くと白なのに赤? 赤も二つあるの? そして・・・あれれ?みんな

真っ白に見える! そして思ったように描けない!!!

 

 

   水澄むや筆先にゐるパエトーン   佳音

 

 

早速窯に入れました。この窯も前のもの同様煉瓦を組んで、紙と泥で

覆われています、前と違うのは熱源がガスバーナーの炎だということ。

(1000℃前後になるとか)

 

 

 

そして今回もオイル缶が登場。ルビーの釉薬を施した器は窯から出して

すぐにまたこの中に入れ、籾殻などで覆い(籾は燃える)蓋をして

不完全燃焼の状態にすることによって(酸化焼成)カッパールビーという

金属質の赤を出すことができるそうです。(そうでなければ還元焼成の青が

表出する。)

窯から出てきた器たちは一様に白くて、ミントグリーンの模様があるように

見えます、ところがこれがここからの処理で全く異なった色になるのです。

冷やすタイミング、時間によって同じ釉薬なのにまったく違う顔の器。

そして残念ながら割れてしまうものもあります。

 

  

のぞくと熱いどころではない!!   取り出します、あっつーい!!!!

 水へ 

 急冷するとこうなる

むむむ、んー、どれが誰の? 

 割れてもなんだか♪ 

 

そして今週二日目、教室最終日。これらを9月の展覧会に向け、自分の作品に

題名を付け、記名する作業です、が、モンダイは昨日の楽焼。げっ!!

釉薬でさえ「白なのに赤ぁ?」と考え込んでいたのに、焼きあがったらどれが

どれやらのおおわらわ???

よくわかる絵を書いた場合は別として、これだろうか?あれだろうか??

割れたものはボンドで補修したり、もっと割ったり。

作品の台にするために「木コース」の先生にお願いして木を切ってい

ただいたり。

 

    

 

  

 

 

パーティー料理も生き物も器もこれなんだ?!も、みんなよそゆきの顔になりました。

これで制作はおしまい、彫刻教室も終了。楽しかった。

でも、まだお別れではありません。

これらの作品群は9月4日に青山ホールに我々の手で搬入し、9月5日から

作家の皆さまの作品とともにしばし展示されます。

 

これは ワーリー先生のFIRE TREES』

 

 中は空洞。子供達がのぞいています。

 

8月28日の夜(20:00)に、この作品に火が入ります。

どういう状態になるのかは見てのお楽しみなのですが、こちらがワーリー

先生のHPです。


            http://www.walihawes.com/fire_trees/firetrees.php

 

28日はどなたでも参加自由、もちろん入場無料です。たくさんのかたに

ご覧いただきたいそうです。

 

彫刻教室の合間、私は俳句に興味をお持ちのワーリー先生に英訳のついた

俳句の本を見ていただきました。(そして私はオマル・ハイヤームの

『ルバイヤート』を見せていただきました。)

ルバイヤートは四行詩、英語俳句は三行詩?

元々詩もお好きなワーリー先生は、なんと英語俳句を自発的にお詠みに

なられたのです。 

その「初HAIKU」を嬉しく頂戴し、『キョロキョロ日記』に載せる

許可もいただいたのですが、ワーリー先生は

「ほんとはにほんご、はいくのりずむにしたい・・、むずかしいね・・」

とおっしゃる。

んー、では僭越ながら私がチャレンジ。

 

 

 

     Autumn leaf in the torrent
In a hurry
I'm not!
          Wali    Autamu 21/8/04

   急き流る紅葉眺むる胡座かな   (坂石佳音:訳)

         Sekinagaru momiji nagamuru agura kana

       (せきながる もみじ ながむる あぐら かな)

 

 

『彫刻教室』でキョロキョロし、句を詠むだけで無く、英語俳句まで拝見

することが出来た、なんてステキ。

作家の皆さま、教室の皆さま、スタッフの皆さま、私や娘と出会って

くださって本当に本当にありがとう。

 

これで彫刻教室はおしまいですが、まだまだキョロキョロ楽しむぞ♪

かのんのキョロキョロ日記Artist in Residence at IGA 2004編』

その四でした。

 




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            くさぶえのふきかた



               2004.8.25  Photo / 文 / 句: 坂石佳音




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