かのんのキョロキョロ日記・番外
『 「ゆあさ」って・・・どこ?編 』
昨日(11月23日)はいつもの句会の吟行でした。
天王寺に10時ということは、ここからはむにゃむにゃむにゃ・・・まっいっか。
天王寺から「くろしお」に乗っていざ和歌山へ。
今年の山はシックに茶色で完了かと思えば、
北風吹くや姫やうやうに織る錦
しかし、昨日は小六月という言葉そのままの陽気でした。
車中はいただいたリーフレットを見たり景色を眺めたり忙しい。
隧道飛び去り冬蜜柑散る絵地図
列車に乗るといつも思うのですが、頭が二つ欲しい。
景色は右と左にありますから。トンネルをいくつか過ぎるとやがて海。
冬紅葉海冬紅葉紀伊路かな
今、白浜の方ではパンダの双子が大人気とか。
紀勢本線にはこんなペイントの列車も走っていました。
さて、今回、こんなものを作っていたので、予習も何もあったものではありません。
湯浅って、どこ? などと、とんちんかんなことを思いながら降り立った紀勢本線湯浅駅。
先発後発二班に分かれていて、後発隊(なにせ私は遠いですから)の我々は先発隊の
後を追う形でうろうろキョロキョロ。
湯浅は味噌と醤油の町、そして潮の香ただよう海沿いの町です。あちこちに古い建物や
迷い込みたくなる小路のあるこじんまりとした散策にぴったりのエリア。
さすが和歌山、あちこちで蜜柑の小山、え?100円?!などと叫びながらてくてくてく。
路地あらば覗きこむ癖柿紅葉
小春日や明日かへり行くややの足
知らぬ海知らぬ小路や日記買ふ
街のそこここに『熊野古道せいろミュージアム』というジオラマや古民具の展示、詩歌の
記された辻行灯が点在します。
冬湯浅人立ちどまりたちどまり
途中、味噌や醤油の資料館を見学したり試食して思わず買ってしまって重たかったり。
そして、んー、これから句会なのですが・・・きっと私はどこかに句をこぼしてきた。
湯浅寒凪隧道に忘れた句
炉語りの手塩にまろきせうゆかな
昼食もすませて、先発隊と合流して、さあ、会場にて句会、そしてかんぱーい♪
こんな夕日の沈む景色の中の句会、いかがですか?
句会の結果?ふふふふふ。
帰路がありますので早めの撤収、ふたたび紀勢本線に揺られて大阪へ、
そこから私はひとり。寒くてさびしいじゃないですか・・・ごそごそ・・・
さみしさや鳩尾におく紙懐炉
ゆりかもめひとりにひとつ夜の降れり
ああ、あたたかい。
みなさまはもうお帰りでしょうか?それとも?クスクス。
ああ、今日も楽しかった♪ また会いましょう。
佳音のキョロキョロ日記でした。
2003.11.24 Photo / 文 / 句: 坂石佳音
