かのんのキョロキョロ日記

「山上俳句『春の生駒山』を詠む」吟行編

2003年4月20日 (雨のち五里霧中)

 

 

 

4月20日は山のぼり、とはいえ、足で登ったわけではありません。

「山上俳句『春の生駒山を詠む』」に参加。寶山寺(生駒聖天さんの方がわかりやすい

でしょうか)をうろうろキョロキョロして参りました。

 

 

 (ケーブルカーの「ぶる」です。)

 

 

 

たんぽぽの空低くしてケーブルカー

  

春生駒隧道いつも濡れてをり  

 

 

まずは寶山寺へ。こちらのケーブルは山上まで一本では行かず、途中宝山寺駅で

乗り換えです。途中下車ができるので、早速散策。

今回は同行者が無かったため、(まあさびしい!)気ままに歩き、行く先々でいろいろな人、

物とお喋り。(まあうるさい!)吟行参加者は目印のリボンをつけていますので

すぐにわかります。(話しかけられたかた、ごめんなさい・・)

 

 

 

 (ふりむけば) 

 

 

 

寶山寺は商売繁盛の神様「生駒聖天さん」として親しまれています。

下の写真、手前本堂のご本尊は不動明王、鳥居をくぐって奥に歓喜天(聖天さん)です。

背後にそびえる岩山もご神体であり、ここは役の行者の修行の地でもあるそうで、

本堂の屋根のむこうに小さく見え(ないですか)る位置に安置された弥勒菩薩のお姿を

拝見することができます。

八百万の神の国らしい、神さま、仏さま、花や木の仲良く坐す地です。

 

 

 

 (本堂) 

 

山つつじ滴る先の地蔵堂  

 

   万燈の一と慕ひて落椿

 

衆生とは喰らひゆくこと草の餅     

 

 

惣門を一礼に辞し春の磴

           

 

宝山寺駅からもう一度ケーブルに乗って、生駒山上へ。

てっぺんは遊園地になっており、入場は無料です。

生駒山上は景色のすばらしいところで、晴れていれば大阪側は海まで一望。

まして夜ともなれば 『金額には換算できない夜景』を望むことができます。

http://view.adam.ne.jp/setoy/pic/kinki/ikoma.html

今日は残念ながら靄・・・というより霧がでて、雨まで降ったのですが、

めったに体験できない濃い霧。(訂正いたします、わたしは時折自宅にて体験

いたします。)ちょっと、いいえ、かなり嬉しいですね。

 

 

 

 

 

ここは山の上ですもの。

私たちはきっと雲の中にいるのですよ。下界から見れば。

テレビ塔のてっぺんは雲の海の上なのかもしれない。

 

 

春月の舟を舫ふやテレビ塔        

 

 

    花朧片ゑくぼなる生駒かな

 

 

山上にはまだ桜が咲いており、霧の中、かすかに揺れているのでした。

 

雨になり、花びらが落ちた園内も(転ばないように気をつければ)幽玄。

そんな天気ではありましたが、「春の生駒山」を詠もうとお集まりの皆様、

そしてキョロキョロうるさい猫一匹。(私です)

12時半締め切りの一人二句の投句で七人の先生方の選をいただきます。

雨による会場変更等もありましたが、ちょっぴり難しい東洋医学の講演もあり、

とっても楽しい伊丹三樹彦先生のお話もあり、(これは嬉しいおまけでした)

語の各賞発表でした。

 

解散の頃には雨も小やみになり、怪しく霧の中へ進む足跡をたどって出口へ。

5m先も見えない霧なんて・・・やはり嬉しいじゃないですか♪

 

 

  さて、この足跡はだれのでしょう?

 

 

もう一台のケーブルカー、「みけ」のもの.

 

かな?♪   


私自身、なにもかものまだまだ霧の中ですが、ううん、わからない・・・と歩くも

またよし。

句はまったくもって妙なものしか詠めませんが、たくさんの人や物に出会える吟行、

大好きです。

 

 

ああ、 今度も楽しかった♪

かのんのキョロキョロ日記でした。

 


               2003.4.20.  Photo / 文 / 句: 坂石佳音




                         

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