『西オフ会』かのんキョロキョロ日記
            2002年7月14日日曜日(はれ)



新大阪10時半、すき焼き食べ乃助さまと私ことかのんは、のんびりと地下から登って

きました。新幹線コンコース中央出口前はたくさんの人。その中に大きな某球団の

団扇を持った女性が。 かよママだ♪


   笑顔千両浪速女の団扇風 


星麿☆さま、顎マスターと三人お待ちいただいていたのでした。
「どうして、初めて会った気がしないのだろう・・・」
この言葉は、これから一日中つぶやき続けるのですが、私はどなたともお会いしたこと

が無いのに、なんだかとっても懐かしい。
向こうの柱からすすっとやってこられた女性。

「まっちーです」
まっちーさまはずいぶん早くに着いていて、どこかな、どなたかなと探していらした

ご様子。 そういえば、私ってば「早目に着きます」なんて言っておいて、
すき焼き食べ乃助さまと嬉しくお茶をいただいていたのでした。
ごめんなさいまっちーさま・・・。
やがて茂樹さまもご到着、そして改札のむこうから、やんまさまと朴人さまが

いらしたのでした。
お迎えするのはこちらなのに、逆にお迎えいただくようなあたたかな笑顔・・・・。
こんにちは、やんまさま。

 

今回最初のイベント、吟行はこの9名の参加。ただし、句会に投句をされない方は、

お散歩です。

目的地までは電車とモノレールを利用します。歩いてガヤガヤ、乗ってワイワイ。
どうしてこんなに話がつきないのでしょう。

 

       

にぎやかに到着したのは大阪モノレールの『万博記念公園駅』ここからは徒歩です。

昨日までの雨が嘘のような好天の中、万全の手配のかよママが公園の入園タダ券

(タダ、嗚呼いい言葉)を皆に配りました。ゲートをくぐるとそこには太陽の塔。
今日の青空に白く尖っています。 まずはここで記念撮影。

 

 

 

そしていよいよ吟行開始です。
第一目的地の水車小屋のある休憩所まではトコトコ歩いてすぐでした。
コットンコットン、水車は回ります。
コットンコットン、何かを挽いていればいいのにな。

    さみどりの影を水面に若楓

 

園内の木々には名札が立てられていました。
それには
?このきはなあに  ヒント:さるもすべってしまうよ
二枚重なった札をパタッと一枚持ち上げると

 「サルスベリ」 

そんなものをのぞいたり、「あれは何の木だ」、「ヒヨドリがいる」とか、「シジュウカラ

はどこ?」などとおしゃべりと観察(?)を繰り返しつつ次へ。
階段を登って、木の長くて大きな橋、『ソラード』(森の空中観察路)を渡ります。

 

 

入り口のタワーから

 

つり橋

 

 

いつもは見上げることしか出来ない梢近くをのんびり散策。足下を風と鳥たちが駆け

抜けます。途中、百葉箱に気温と湿度が表示されていて、みんなで当てっこ。
(32.8℃でしたかしら、星麿☆さま。)

空中散歩を満喫した終点にはまた階段。登って、登って、展望台でした。

  

 

ソラードと展望タワー

 

展望タワーからの眺め

 

 

 今渡ってきた「森の橋(やんまさま談)」が見えます。
風がごおごおと音を立てて、木々を揺らしていました。

    白南風や潮騒に似て街の森

 
 
登ったら降りなくてはね。登る時は「極意」を朴人さまに教えていただきましたが、

下りは?朴人さま。
いくつもの池のそばを通り過ぎ(当然立ち寄り)睡蓮や合歓の木に会って、プラタナス

(鈴懸)の並木を過ぎ、次の目的地へ。

 

 




途中、噴水に子供がおおはしゃぎをしていたり、親子でお弁当を開いていたり、

のんびり休日を過ごすにはステキな公園です。 そして、緑、緑、緑。
3時間ほど太陽の下にいて日焼けが軽度で済んだのは、緑のおかげ、きっと、夏だけ

ではなく、秋も冬も春も見どころいっぱいでしょう。

日本庭園は一幅の絵。
音がすべて一度庭石に吸い込まれて、選ばれた音だけが目に入ってきます。
聞こえるはずのないせせらぎや、風の渡る音が見えるようです。

 

 

 

 

今の季節は蓮が見ごろで、たくさんのカメラマンが自分の蓮の花の一番美しい一瞬を

待っています。


   蓮咲くや無口をとおすカメラマン


わが西オフ会のカメラマン顎マスターも静かに蓮と向かい合っていました。

 

 

 

 

 後ろからそっと・・・・ 「わっ!!」 それはいけません、いけません。

そろそろ昼食の場所に移動しようかと、出口にむかって歩いていたところ私の携帯

電話がブルブルブルブル・・・うふふ♪

    君の呼ぶ声なら涼し呼び出し音

あらら?昼食から合流の蘇生さまでした。クスクス

すでにご到着とのこと、わ!大変。ちょっと急ぎましょう。
あ、ここからは太陽の塔の背中が見える。


   ソラノコエ −太陽の塔
 
      空に刺さる金の顔
      地上を睨む丸いまなこ
      白い大きなそのからだは
      少し猫背になった気がする

      「未来、未来って、過去在っての未来だ」

      声が小さいよ
      現在達にきこえるように
      もっともっと大きな声で吼えてよ

      今日の空のように
      青い青いその瞳で

      生きよ、と

 

お祭り広場からの太陽の塔   

 

太陽の塔にお別れをして、再びモノレールで千里中央へ。
ほんの数分ではありますが、遅刻なので、予約のお店に電話連絡をいれたところ、
「お客様が二名、ご到着です」とのこと。二名?蘇生さまと・・・于論茶さまだ。


昼食にかよママが選んだお店は、ライフサイエンスセンター内の

『チャイナ梅の花』です。 

 

 

静かできれいなお店でした。
入ったら蘇生さまと于論茶さまがお待ちで、まずはご挨拶。そしてお部屋へ。

(靴を預けて、裸足というのが心地よかったです)
「雪月花」という風流な名前の部屋に11人集合、吟行隊は喉が渇いていたので、かよ

ママの「まずはビール♪」の声に、あちこちから「ビール」「ビール」「ビール」そして、
「ウーロン茶!!」と于論茶さま。

乾杯の後は運ばれてくるお料理に舌鼓を打ちつつ、自己紹介。
質問あり、薀蓄(?!)、駄洒落あり、笑顔満載の楽しく美味しい時間でした。それは

もう、化粧室に立つ間も惜しいほど!!!(余談ですが、ここの化粧室はとても

美しかったです)

◎お献立(季節懐石・睡蓮)

   前菜三種盛り合わせ
   かぼちゃと豆乳の冷製スープ
   湯葉巻きのオイスターソース蒸し
   ふく福豆冨フカヒレ冬瓜あんかけ
   フルーツトマトと茄子の冷たいジュレ
   湯葉の香り揚げ 北京ダック風
   豚の角煮 桂花風味
   アワビのしおさい
   飯物四種のいずれか一品
   デザート三種盛り合わせ
 



飯物四種のいずれか一品はなぜか、お粥と炒飯に集中。
それもそのはず、ラーメンは揚子江ラーメンが待っていますから。

おなかが一杯になって、『梅の花』を出た一行は同じ建物内の(これもかよママ手配の)

『喫茶ポートファイブ』へ。ここが句会の会場です。
今回の句会は、オフ会のオマケなので、参加は自由。
ところが、見てるだけとおっしゃられていたすき焼き食べ乃助氏も歳時記をご持参

(すごい!)というわけで、結局、皆様ご参加いただきました。
なんだか駆け足で進めてしまって、申し訳なかった気がします。
短冊を3枚ずつ、それぞれ句をしたためていただき、私がB4サイズの
清記用紙2枚に清記。お隣のコンビニエンスストアへまっちーさまとダッシュ!!

(コピーをとりました)皆様33句の並んだ清記コピーをもっていただき、選句。
◎(得点2点)の特選が4句と○(得点1点)の並選が4句の、計五句を
選の後、選んだ本人が披講ということで進行です。
あとで、于論茶さまと蘇生さまが「吟行句は参加しなけりゃわかんないよ」
という言葉のままに、参加したものにとっては臨場感あふれる佳句揃い。
高得点句は

   風となりとんぼとなりて森の橋   やんま(7点)

   太陽の塔はでかいぞ青蛙      かよ(7点)

総合(三句の得点の合算)一位はやんまさまでした。
今回、幹事が各在住地の名産品を賞品として準備しており、

   かのん賞     伊賀上野名産かたやき
   顎オッサン賞   岡山名産おまんじゅう
   かよ賞      大阪名産?阪神タイガースグッズ

以上が、やんまさま、まっちーさま、茂樹さまに贈られたのでした。

句会も無事終わり、やんまさま、朴人さま、蘇生さま、茂樹さまは「下車」です。
さようなら、またお会いしたいです。きっと、きっとね。

そして残された(?)者達は元気を出して揚子江ラーメンへ。大阪梅田HEPナビオ横

の揚子江ラーメンは小さなお店。
「おなかいっぱいなの・・・」と心配そうな星麿☆さまとマッチーさま。
・・・大丈夫でしたね。あっさりして、不思議なほどすいすいとオナカにおさまる

ラーメンです。これを食べたら、顎マスターが「下車」。
たくさんお写真ありがとうございます、楽しみにお待ちしております。
またね。

さあ、何人残りましたか?
かよママ、于論茶さま、すき焼き食べ乃助さま、星麿☆さま、まっちーさまそして私の

6人は夜の阪急東通りへ消えていったのでした、今度は詠うのではなく歌うために。

 

みなさま、楽しかったです、ありがとうございました。
お会いできた方々、きっとまたお会いしたい。
そして今回は会うことの叶わなかった方々、きっと、きっと、きっと。

かのんのきょろきょろ日記でした。

 

///////////////////// そして /////////////////////////

 

 かのんよりやんまさまへの恋文です。

 

「鎖骨」をとってくださった方、親展
     ソラードにて 〜あおいト音記号〜

  街の森の中空で風を見ていた
         言葉に翅をもつ
         あたたかな手のひとと

          ああ、森の橋だね

そうつぶやいた人の前を女神がよぎり
         ひらひらと音符がふりそそぐ

        あおいト音記号ではじめなさい

そして彼女は行ってしまった
         やけに長い前髪をゆらして
         白い風をのこして

風となりとんぼとなりて森の橋  やんま


       あの時、とてもうらやましかったのです、やんまさま。

 

 

 

◆ つぶやく堂鳥渡句会結果 (大阪千里)

 

※ 選句は5句、うち1句は特選(選者名の後に

   特選句には選者コメントあり。

 

 <やんま>

風となりとんぼとなりて森の橋   于論茶◎・かよ◎・かのん・すき焼き食べ乃助

・まっちー

                平仮名の流れるような調子が美しい(于論茶)

  一緒に森の橋を通った身には実感句(かよ)

夏の駅恋てふものに迎へらる   かのん・于論茶・かよ・茂樹・まっちー

蓮池や空は太古のままである   于論茶・かよ

 

 <かのん>

合歓ゆれてかくもはかなき朝化粧  顎◎・かよ・星麿・すき焼き・やんま

   女性でなくては読めない句(顎オッサン)

夏の駅まだ見ぬ友の靴の音     蘇生◎・星麿・すき焼き・顎

                 オフ会という今日に合っている(蘇生)

 峰雲と潮騒を聞く街の森

 

<かよ>

 太陽の塔はでかいぞ青蛙       かのん◎・星麿◎・朴人・顎・やんま

        大きな塔のイメージ、その下で青蛙になった気分(星麿☆)

     塔の大きさと、青蛙という小ささの対比がおもしろい(かのん)

母似らし女が四人巴里祭       朴人◎

   今日は革命記念日巴里祭、革命は女がおこすものです()

          今日という日への挨拶句(朴人)

太陽の塔無表情盛夏かな         

 

<顎オッサン>

夢語る人となりけり合歓の花     やんま◎・朴人・かよ・まっちー

        朝化粧の合歓が女性ならその後姿を見つめる男性的な句(やんま)

夏の日に太陽の塔老ひにけり    まっちー◎・星麿・やんま

久しぶりに見た塔は確かに・・・・(まっちー)

蕗むいてカタコト自慢の夕の膳

 

<まっちー>

 新しきハンカチを持ち集ひけり     茂樹◎・于論茶・星麿・顎

     いつもはあまり持たないハンカチを(笑)今日は持ってきました(茂樹)

初蝉やそれぞれらしく声のして     蘇生

噴水の風のままなるしぶきかな

 

<朴人>

すててことなりて一献父を訪う     すき焼き・やんま

太陽の塔の後の夏木立        于論茶

のうぜん花散りぬ烏の帰る里       

  

<蘇生>

夏座敷一句も詠めず京の風       かのん

俳人でない人ばかり千里夏       かのん

夏の今日千里万里を友かける       

 

<星麿

 先急ぐ氷ののれん脇見して       すき焼き◎

                まさに本日の実感句!(すき焼食べ乃助)

 西オフ会二〇〇二年のこんにちは   蘇生

すずかけの道歩く間のプラタナス

 

<茂樹>

 指先が汗を押えてたどる道        蘇生・朴人・顎

友と会う駅に弱冷房車着く         蘇生

夏の陽に塔の顔口尖せて          朴人

 

 <すき焼き食べ乃助>

青空へ噴水散るや雲うごく        茂樹・まっちー

塔の顔午後を微睡む夏公園        茂樹

七月の光の朝を電車行く         茂樹

 

<于論茶>

ゼッケンの裏に七つの署名かな

土用にはまだ早いけど青背広

夏嵐迷走ときに西下して

 

以上

               2002.7.14  Photo / 文 / 句: 坂石佳音




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