らんくるくるーじゃーはちまる

-　贐　-

２０１０年１月１８日

この冬は暖かいかと思えばどっと寒くなり、年末には雪が降ったり。

一月に入ってからも寒い日が続き、我が家にも大根ほどの氷柱が出来た日、

「うちのはちまる」を業者が引き取りに来た。

釣り人（夫）の趣味はその名の通り魚釣り（今はバスフィッシングと鮎）なので、

我が家の車は竿が積める長さでなくてはならない・・・・ったって、

こんなに大きくなくてもええやんかというランドクルーザー80（はちまる）

（以下ランクルと略）が我が家に来たのは１９９８年６月２０日。

前の車はスプリンタートレノで、これも実は「釣り竿が積める車」だった。

（狭いが、トランクスルー機能があったのでワンピースロッドもそのまま積載可能。）

息子じゃありません釣り人です。

釣り人の叔父が三重県のランドクルーザーの会の代表をしていたこともあり、

次の車が突然ランドクルーザーに決定。

奈良の中古車屋さんに受け取りに行った折のものが下の写真。

無事に受け取って名阪国道をちょっと走ったところで「運転するか？」と

キーを渡され、その当時は大きな車を女性が運転しているのはとても

珍しかったので名阪国道の対向車の運転者にまで振り向かれる振り向かれる。

信号待ちでもかなり注目されて気持ちよかった。

下の写真、屋根に乗っている息子（当時小学一年生）が大きくなって

免許を取る時までは乗ろう、息子がこれに乗って運転に慣れたら次の車かな・・・

と言っていたのが昨日のよう。

息子は瞬く間（ちょっとウソ）に１８歳になり、教習所に通い運転免許を取得。

免許センターへはわたしが車で送ったので、

「免許取れたよ」

という息子に、免許センターの駐車場で

「運転する？」

とキーを渡したり。（山越え有りの一時間強をヤツは運転しました。）

窓から顔を出している娘は三歳前で、シクラメンを「ちめくらん」と言ったりしていて、

「ランドクルーザーハチマル」も「らんくるくるーじゃーはちまる」と呼んで、

（時折「くる」の数が多かったりすることも。）屋根で遊んだり

キャンピング仕様の車なので、中でお昼寝をしたり。

釣り人の友人がこれまたランドクルーザーを買うというので

埼玉まで三人で運転して受け取りに行ったこともあった。

（往路は釣り人、復路はわたしの運転）

突然叔父に呼び出されて本の表紙になったこともあった。

（下の写真前から三台目。四台目の白い車は叔母のもの。）

もちろん釣り人は釣りにも使ったが、前の車同様ほとんどわたしが

通勤や買物に使っていたので、わたしの車（釣り人は苦笑）と言っても言われても

おかしくないランクル。

大阪のファミリーレストランの駐車場で、一番奥しかあいていなくて

入り口からずっとバックで入ったことや、

息子の友人が乗ってすぐに「バスみたいやぁ！」と驚いたこと、

娘が庭のさくらんぼの収穫をするのに屋根を梯子代わりにしたこと、

流れ星を見るために山に行き（我が家からすぐですが）母娘二人寝袋にくるまって

ランクルの屋根で星を数えたこと、バスケットにお茶の道具を積んで

「ちょっとそこまで」とあちこちあちこち。

息子の野球も娘のバレエもこれで送迎。

うちの子らだけでなく、いつもの友人も遠来の句友も色々な人に乗ってもらった。

雨の日にどこの子か知らない男の子とパンクした自転車を積んだこともあったなぁ。

自分がどこにいるのかわからなくなったおじいさんを拾ったこともあったなぁ。

昨年春、エアコンもパワーウインドウも具合が悪くなり、（ひと夏エアコン無しで、

今も窓が５センチほど開いたまま。わたしは平気だけど、乗ってくれた人、ゴメン。）

直そうか、どうしようか、どうしようか、の結果、はじめの予定通りになった。

息子はこの車がはじめての車だから、どんな車もきっと大丈夫。

ありがとう、ハチマル。

冬木の芽揺さぶるルーフキャリアかな

冬青空給油キャップをていねいに

セルフスタンドで最後の給油をして、その夜、引取りの業者がやってきた。

やさしそうなお兄さんが、

「さびしいですね。」

と言ってもらったので、「ちょっとね」と答えた。

次はオフロードでガンガン遊んでもらえるところに行くといいね。

楽しかったよ、

ありがとう。

さようなら、うちのらんくるくるーじゃー。

>゜))))彡

次の車が届くまで、代車の白色の軽自動車が駐車場に居る。

なんともちいさくてかわいい。

大きかったんだなー、あのこは。

冬萌やはつかきのふの深轍　　　佳音

ヤッパトッテモサビシイヨ、サヨナラ、ハチマル。　

職場の駐車場にて　2011.1.18

２０１１．１．２０

写真/文/句：坂石佳音