比叡山吟行




糸瓜俳句会
2008.11.22


>゜))))彡



新聞屋さん句会で紅葉を観に行くことになり、比叡山に吟行に出かけた。
なんといっても比叡山。
釣人に「うちよりきっと寒いぞ、ぜったい寒いぞ、むちゃくちゃ寒いぞ」と脅かされ、
カイロを貼って厚着をして出かけた。
他に用があり、大阪まで一度出たので、ちょっと暑かったが、
「いやいやここは大阪、これから行く比叡山は寒いんだから」
と自分を納得させた。

湖西線比叡山坂本駅に降りれば時雨。
それもホームをはさんで湖側だけの雨で、粒とはいえぬほどの雨はさらさらと
さらさらと冬日を受けてきれい・・・・。などと眺めているヒマは無く、早速出発。

坂本ケーブルまで旧竹林院などを覗きつつ散策、思ったほどは寒くはなく、
天気も良くなってきた。
紅葉はずいぶんと進んでいるようで小さな人たちが両手一杯の赤や黄色を
抱えて歩いているのにすれ違ったが、思っていたより紅葉する木の数が
少ないのか紅葉狩りという気分には少々不足。
それでも旧竹林院の庭で見た紅葉は燃えるようであったし、日本一長い
という坂本ケーブルにも乗ったことだし、延暦寺根本中堂の中にも入って
うろうろキョロキョロと初冬の景色を拾った。

 

 

 

 



句会は再びケーブルに乗って下ったところの蕎麦屋の離れをお借りして
蕎麦をすすりながらの一人五句出句。
メンバーの中の一人がその日の朝に他の句会の句友と偶然出あったことから
別の場所に吟行に行っているその句会と交換句会をすることになり、(携帯電話の
メールを利用)それぞれの一句をそちらに送ったり、先方から送られてきたものを
選句したりと盛りだくさんだった。

句会の後の二次会は大津まで移動し、よい風情の建物の店にて乾杯。
今回の案内役は滋賀在住の人で、どこもよくご存知の上に下見までしてもらって
いたのでついていく者としては大船に乗った気分で安心してキョロキョロできたのだった。
解散の頃はすっかり暮れて夜星。
さようなら、おやすみなさいと手を振って、JR大津駅を後にした。


  すぐ閉づる列車の扉神無月

  背高のつぽの先達の冬帽子

  冬日入る老大木の腹ぬちに

  高飛車な女の踵実万両

  大津絵の鬼の唐傘うすら寒

  すれ違ふ鋼索鉄道冬紅葉

  霊窟の百の石仏山眠る

  妄執の指に冷たき摩尼車

  冬うららかや眠たしと子の泣くも

  軒低き蕎麦屋の離れ実南天

  動かざるもののひとつに冬の虫

  オリオン座出づる大津の町の空

  はじめての仁丹三粒北颪

  それぞれの切符の数字冬銀河



わたしの切符はわたしの駅まで。
降り立てば・・・・寒っ!!!やはりわが町は寒い。
ケーブルで比叡山に登った折、寒暖計があったので見たら、4度だった。
(写真も撮った)下界に戻ったら11度だった。
4度って、何のことは無い、比叡山は我が家とほぼ同じ気温ということだったようだ。


句会で詠んだ句はあふみの句やくさめの句があるが
それらはまた今度。

 

 

 

 

 

 

2008.11.20  Kanon