「芭蕉の言葉を書く」
生誕360年 芭蕉さんがゆく 秘蔵のくに 伊賀の蔵びらき
エピローグ
2004.12.13
昨年から今年春頃まで、図書館の貴重書庫の目録作成のお仕事をしていました。
できあがったらお別れ・・・はい、完成するまででしたから。
完成して嬉しい・・・でもこんなに素敵なお仕事が無くなって悲しいの二本立てでした。
貴重な友人が幾人もできた大切な時間、その一人から、書のグループ展をします・・と
案内状が届きました。
ギャラリーの前で、我が家のとんでもなく大きい車のことですったもんだしていたら、
「かのんさんの声がする・・・」
と、友人本人がにこやかに、登場。ああ、久しぶり・・・。
靴を脱いでギャラリー内に入ると筆と硯がありました。
書を拝見に来て、字を書くのはとてもためらわれるのですが、やさしいしなやかな筆が
準備されており、ありゃりゃ・・と思いつつも住所と名前を書きました。
市町村合併で青山町ではなくなってしまった我が家、間違えないように慎重に。
市の文字のゆらゆうらゝと冬麗 佳音
サテ、トモチヤンハドコダラウ?
★
臨 芭蕉翁書 「守口如瓶防心如城」
隣ノ部屋カラフハリト匂フ。
水仙に誘はれてゐるぼんのくぼ 佳音
あちこち、たくさんの水仙
シルクに大きな鶏の羽の筆で書いたものとか。
★
彼女は吉永智美さん。
★
今井凌雪氏の書
★
冬澄むや心に近き左の手 佳音
★
★
ナンダ、ハジメカラ、ソコニイタノネ。
饒舌にたれより遠し冬椿 佳音
吉永智美氏の書は★印のものです。
臨 芭蕉翁書 「守口如瓶防心如城」
なら茶三石食ふて後はじめて俳諧の意味をしるべし
蝶 起きよ起きよ我が友にせん寝る胡蝶
ただ無知無分別にして正直偏固の者なり
予が風雅は夏炉冬扇のごとし衆にさかひて用ふるところなし
心に風雅あるものひとたび口にいでずといふ事なし
尚、幾点かは左手で書いたものがあり、
私の写真の技術が足りないため見えませんが
金や緑の色付の墨という作品もあります。
写真/文/句:坂石佳音