FIRE TREE
FIRE TREE : Wali Wawes
火を見ていると
どこか遠いところにいってしまいそうになる
なにもかも置いたまま。
欠けた月、満ちる月、雲の上
あめつちを結ぶ巫の指の先
祈りはいつもまっすぐな螺旋
身ぬちに、
もうすぐ満ちる月の最後のピースを宿して
天地をつなげ
炎の木
FIRE TREE 稲妻を呼ぶ巫女の指 佳音
稲を実らせ、風を洗い
この地に豊穣をこの空にやすらぎをと。
炎を見ていると
どこかにかえりたくなる
祭りは
祈り
とうに忘れてしまった
いつか還るどこかへの
道のひとつ
炎
稲光、稲妻、秋の雷で稲が実るという。
写真/文/句:坂石佳音